劇場公開日 2008年9月6日

  • 予告編を見る

「眠りに落下した私。」落下の王国 ハチコさんの映画レビュー(感想・評価)

3.0眠りに落下した私。

2008年10月18日

悲しい

怖い

単純

公開前からかなり評価されていた作品だったので、
そりゃ~来たら観ないわけには…と思っていたけれど、
物語の内容を読んで、おそらくこうなるんじゃないかと
思った自分の不安が見事に的中し^^;私は眠りに落下…。

映像と衣装は、それはそれは見事なものだった。
写真と見紛うほどのハイビジョンのような豊かな映像美。
それがまた…世界遺産の数々を映し出しているのだから、
昔の日本のCMだったらフジだコニカだと付けられるほど。
ただ、その美しさのせいか「魅せ」に興じている部分が多く、
映画を観ているというより、静止画像を観ているようだった。
おとぎ話…というからには、たくさんの英雄が出て来る。
主人公が成り替わる仮面のヒーローはさすがにカッコ良く、
小さな女の子だったら、ドキドキワクワクするだろうなぁ。
とは思った^^; でも…私は物語にワクワク出来なかった。

そして何よりも、冒頭からこのお話がどうしてやたらと
ネガティブなのかが気になった。そりゃ~スタントマン、
半身不随なんてことになればもう仕事が出来ないわけで
死にたくなるかもしれないけど、じゃあその職業の人は
みんなそうなのか…?なんてヒネくれて考えてしまった。
彼自身をそう暗くは描いていないものの、病院がまるで
ホラーの館の様にオドロオドロしく、彼を慕う少女の顔が
元・横綱の曙に似ていることも相まって^^;なんか怖かった。
悲劇で終わるおとぎ話も、あの殺され方がやはりダメで、、
だから、カッコイイ~とか可愛い~とか思えなかったのだ。
せっかくのおとぎ話なのに、私には致命傷だ…。

ところが終盤に入り、最後の最後で開眼した!!
あのクライマックスの無声映画のアクションシーンの数々。
H・ロイド、B・キートンの身体を張った演技を彷彿とさせる
素晴らしい映像の数々…。もちろん全編モノクロだ。
粗い映像、早すぎるコマ送り、でもしっかりと感動できた。
やっぱり映画とはこれだ。最後にやっと巡り合えた感じ♪

(スタント満載の映画王国。落下しても落命しないでね)

コメントする
ハチコ