「北北西でコピーをとれ。」イーグル・アイ ハチコさんの映画レビュー(感想・評価)
北北西でコピーをとれ。
巻き込まれ型サスペンスとしての王道をいく展開、
冒頭から「いったい何台クルマをぶっ壊すんだ!?」
というくらいにハイテンションな逃亡劇が展開され、
手に汗握る…という楽しませ方はさすがだなぁと感心。
私的に「ウォンテッド」より良かったと思うのですが^^;
何がなんだか分からない主人公が辿る謎の目的地…。
っていう展開は、かの名作としっかりダブってますが、
その目的が何なのかが分かるまで、しっかり観客を
翻弄してくれます。だから中盤まではけっこう楽しめる。
で、電話の「謎の女」の正体が判明してから…。
この辺りでスッパリと評価が分かれそうな気がします。
私は良い悪いというより、残念な気持ちになったなぁ。
結局、話の展開に斬新なネタが存在していないため、
見たことある場面の羅列に加えて、そのオチかよっ!!
という風になってしまう。既視感がアリアリなのだ。
どなたかの感想にもあったけど^^;
10年も構想している間にいろんな映画が作られちゃって、
今の公開では輝きを失ってしまった映画…そんな感じ。
もったいなかったですね。見せ方は上手いんだけどな。
しかしその…。謎の女が仕組んだ陰謀とやらが、
けっこう的を得ているんですね。ものすごく皮肉って
いるのですよ、今の某国の在り方を…。そもそも
冒頭のシーン、イーグル・アイに下した指令そのものが、
ぜったいに間違ってますから。…なもんだから、
しがないコピー店の店員が(ラブーフくん似合いすぎ)
世界を救わなきゃならなくなってしまったわけです…。
幾らお金貰えたって、嫌ですよねぇ。命懸けですし。
いろんな意味で…
成功部分と失敗部分が入り混じった感じの作品ですが、
ラストのおまけ…アレだけは余計だった気がします^^;
何も二人が恋に落ちるこたぁーない!あれじゃあまるで
子供の命の為!と意を決した母親がバカにみえてしまう。
せめて互いの勇志を讃え合って終わり…で良かった。
でもハッピーエンドにしないと、盛り上がらないのかぁ?
どうでもいいけど、かなり歳の差カップルに見えるし。
(この監督さん、ヒッチコックがよほど好きなんですねぇ^^;)