劇場公開日 2009年3月20日

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「映画のいい部分と悪い部分がはっきり分かれる」ドロップ Cape Godさんの映画レビュー(感想・評価)

3.0映画のいい部分と悪い部分がはっきり分かれる

2013年3月16日
PCから投稿
鑑賞方法:TV地上波

楽しい

総合:60点
ストーリー: 55
キャスト: 70
演出: 60
ビジュアル: 65
音楽: 65

 元不良のお笑い芸人品川ヒロシ製作の暴力描写満載の不良映画。この映画はいい部分と悪い部分がはっきりわかれているように感じる。

 いい部分は、登場人物は馬鹿で不良でどうしようもないやつらではあるが、仲間思いで熱血漢であること。素行の悪さを除けば人として悪いやつらではない。だから普段の何気ない会話とか行動とかの場面は普通の青春映画のようで面白い。またところどころに散りばめられた面白おかしい部分は、お笑い芸人としての品川ヒロシのセンスの良さが現れている。またいつも何か起きたりせわしく動いているので退屈しない。

 悪い部分は、やはり過激な暴力描写。暴力がこの映画の1つの主題なのだろうが、中学生が日常的にバットで人を殴ったり刃物を振り回したり車で人をはねたりというのはやりすぎだろう。だから怖いとか楽しめないという視聴者もいるだろうし、もっと普通の中学生らしい喧嘩でもうまく映画は作れるのではないか。
 それと最後の突然の上地の事故の場面は、いかにもお涙ちょうだいというわざとらしさを感じた。人によっては安っぽい演技もあったが、お笑いの部分もあるのでまだいいとしよう。だが中学生という設定の役柄なのに、やたらと成長した大人が演じている部分も違和感がある。

 結論としては、まだまだ物語も演出も登場人物の演技も荒削り。だが悪い部分を取り除いて改善しもっと柔らかい路線で普通の青春ものにすれば、それなりにいいものになったかもしれない。その意味では品川ヒロシの可能性を感じる。
 個人的には不良映画というのはあまり好きではないし、特に単純に過激な暴力で映画の迫力を出そうという方向に行っているものは魅力をそれほど感じない。彼は新作を作ったらしいが、普通に日常を描くのは初作品にしてはある程度能力を見せてもらった。だから今後も製作を続けるのならばそういう方向に進んで主題を作り、暴力描写を拡大すればいいという方向に逃げないものをこれからの彼に望みたい。

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Cape God