劇場公開日 2009年6月27日

  • 予告編を見る

「主人公の静かな演技が見物」扉をたたく人 Cape Godさんの映画レビュー(感想・評価)

3.5主人公の静かな演技が見物

2013年4月29日
PCから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

難しい

総合65点 ( ストーリー:65点|キャスト:75点|演出:75点|ビジュアル:70点|音楽:70点 )

 たくさんの不法移民がいてイスラム教徒に911以降厳しくなったアメリカで、このようなことなど数えきれないくらいある話だろうが、当事者にとっては人生を決定する重大事項である。しかし国家としては無制限に移民を受け入れるわけにもいかないのは事実であるし、テロとの戦いに直面しているときには猶更である。このような政府のやりかたに批判的な意見はある程度理解できるが、このような犠牲者はいつの時代にもいるし、善良な犠牲者側からの一方的な見方にも思えてあまり共感できなかった。
 だが主人公の静かな演技と上手な演出によって、感情の薄い頑固な彼の心の変化がうまく描き出されていた。決まりきった日常を送り必要最低限の言葉しかしゃべらない彼が、太鼓を地下鉄で叩く姿に、彼が心を取り戻しやるせなさと不条理に対する怒りという、彼の感情の爆発が見て取れた。

コメントする
Cape God