劇場公開日 2009年6月20日

  • 予告編を見る

「“ヒーロー”って…。」守護天使 mori2さんの映画レビュー(感想・評価)

3.0“ヒーロー”って…。

2009年6月11日
鑑賞方法:試写会

笑える

単純

幸せ

吾輩が大好きな「シムソンズ」「キサラギ」の佐藤祐市 監督最新作!タイトルと内容が、イメージ的にこれほど一致しないのも珍しいですね~(^^;。

 この映画では、女の子を護る“ヒーロー”が主人公です。“ヒーロー”って聞くと、あらゆる物から護ってくれる、とにかく“カッコイイ存在”ってイメージが、一般的だと思います。が、この映画で“ヒーロー”となるのは“薄給メタボ・サラリーマン”と“雀荘暮らしのチンピラ”そして“イケメンのヒキコモリ”という、まったくイケテない3人組なのです。まあ、すべてのヒーローがカッコイイわけがないと、吾輩も思いますが、ココまで極端に“ダメ”な方に振り切らなくてもイイのに…と、キャスティングの絵面を見て、吾輩正直に思いました。と、同時に笑いました。そして、映画を観て更に笑ってしまいました。だって、変身でもするならともかく、あのままのカッコ(カンニング竹山そのまんま!)で、女子高生の尾行(←本人は、警備のつもり)とかしちゃうんですよ!どう見ても“あぶないストーカー”にしか見えませんて(^^;!おまけに、ラスト近くにはストーリーの展開上、カンニング竹山氏は何故かふんどし一丁にまでなってしまうのです。ハッキリ言って、醜いです!メタボ中年(まあ、吾輩もあまり他人様のこと言えないのですが…爆)の肌が、全開でスクリーンに映し出されますので、映像としては最悪です!でも、カンニング氏(以降、こう表記します)の滑稽とも思える一生懸命さが、観ているうちにスクリーン越しにヒシヒシと伝わってきます。そして、それがいつしかカッコよく見えてくるんですよ!世の中みんなカッコよくスカした奴等ばかりじゃないんです。イケメンばかりが男じゃないんですよ。だからこの“泥臭くも滑稽な一生懸命さ”に、吾輩いつしか共感して応援しておりました。『ガンバレ、負けるなカンニング!』とは言え、いくら護ってもらったからって、カンニング氏にコクられる女子高生って、やっぱり気の毒だなあ~(^^;。

 カンニング氏は、これが映画初主演なんだそうです。役柄上、普段のようにはキレておられません。情けない中年男性を、情けなく好演しています。あと、脇を固める“豪華脇役陣”がまたイイんですよ、この映画!特に大杉 漣さんと佐野史郎さんは、非常に効いてました。佐野さんのシーンは、爆笑必至です!そして寺島しのぶさんの“怪演”も、この映画の売りだと思います。しかしこの人も、カメレオン女優ですね。普通ならこんな役、受けないと思うのですが…、でも楽しそうでした(^^;。残念だったのは、ヒロインの忽那汐里チャン(←この字、一発で出てきません…(>_<)。
そう“ポッキンナベイベー”の彼女です。確かにカワイイんですが、如何せん表情と台詞が…。聞けば彼女は“帰国子女(オーストラリア生まれ)”なんだそうで、この映画の撮影のころは、まだ日本語がたどたどしかったそうです。う~ん、それならしゃあないか…って、アカンやんそんなん(^^;!

mori2