「ヒロインが地雷」レイン・フォール 雨の牙 かみぃさんの映画レビュー(感想・評価)
ヒロインが地雷
稚拙自ブログより抜粋で。
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目を惹いたのは導入部だけ。
映像的に凝ろうとしているのはわかるが、終始それだけに頼られるとさすがに飽きる。
アクション映画の割に説明台詞が多くてテンポも悪い。
高級官僚だけが手に入れられる極秘機密ってのがあまりに陳腐で、そんなネタ、日本人なら誰でも知ってるよレベルの汚職情報で失笑。
さらにナイフ投げの文字通り投げやりなカット割りとか、無闇に大げさなBGMでB級臭さ全開と来たもんだ。
ヤクザの親分が柔道の稽古をしていたり、追っ手から身を隠すレインとみどりが旅館のふとんで枕を並べる様がどこか滑稽なのは、この手の外国人から見た日本の描写に付きもののご愛敬。
そういう意味ではかなりまともな方だとは思うんだけど。
しかし、無数の監視カメラの映像からレインたちを見つけ出すという、一番サスペンス的でなくちゃいけないところがろくに描かれていなくて、追跡シーンにまったく緊張感が無いのは致命的。
そこを巧く描けばゲイリー・オールドマンの怪演もあって、もう少しおもしろくなったはずと思えるだけにもったいない。
役者に目を転じると、椎名桔平の演技はいつものそれで、悪くはないが良くもないといった感じ。
気が短くて部下たちをまくし立てるCIAアジア支局長ウィリアム・ホルツァーを演じる名優ゲイリー・オールドマンの怪演は目に焼き付くものだが、演出がまずいので空回り。
今回やけに張り切ってるなと感じたのはレインを追う刑事役の柄本明。なんだか妙に表情豊かな芝居を見せる。
久しぶりに見たような気がする清水美沙もけっこういい。役柄の割に意外と印象に残る好演。
一方で悪い予想が当たってやはり地雷だったのはヒロイン・みどりを演じた長谷川京子。
黙っていれば凛としたたたずまいは悪くないんだが、台詞を口にすると途端にボロが出て見てられない。
一生懸命演じているんだろうけど、今の彼女にこういう重要な役どころはとても無理。