わが教え子、ヒトラーのレビュー・感想・評価
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評価に悩む
傷つきやすく純粋な人間として
ヒトラーを描いたこと、
またその講師としてユダヤ人俳優を配置したこと。
設定とか面白いと思うのですが
もっとハッタリを効かせてもよかったような?
テンポがあまり良くないので
せっかくの笑いどころも
うまく響いてこなかった。
(下ネタ多め。
だからその手のが苦手な人だとまったく面白くないかもしれない)
監督がユダヤ人というのは当初から言われていたが
そういったことは抜きにしても、
少々癖のあるひねったユーモアセンスを感じる。
ヒトラーを描いてユーモアってのも
なかなか乙なものではありませんか。
今後の展開に期待したいと思う。
映画はつまんないわけでもなく
なんというか、評価に困る。
食材はすごくいいのだがシェフの腕をも一つ上げてほしいって気分だ。
支配者がかわいい
はじめこそ反発しながら、後にはユダヤ人指導者に依存してしまう絶対的権力者。支配者が逆に支配され弄ばれる様、子どものように泣いたり怒ったりする様が悪くない。そんな子どもの王様に振り回される軍人もそれぞれが茶目っ気を持っている。軽い内容ではないがユーモラス。
電話口での会話で出てきた作品のタイトルはのちほど内容を調べたい。
独裁者の鬱。
名画座にて。
あの「善き人のためのソナタ」のU・ミューエが主演と聞いて、
さぞ感動に満ちた歴史ドラマなのかと思いきや…なんとコメディ。
とはいえ、扱っているのがあのヒトラー…なので、かなりブラック。
こういうシチュエーションで、果たして笑っていいものなのか?と
首をかしげたくなる演出も多いが^^;意欲作であり、異色作かも。
ところでこのミューエ氏、2007年に惜しくも他界したのだそうだ。
私は前作と今作しか彼を観ていないが、こんな演技のできる人を
失ったことの方が、独裁者ヒトラーの鬱なんかよりずっと哀しい…
結果的にコメディとシリアスの綯い交ぜな感じが最後まで拭えず、
これは皮肉なのだ。と分かっていながら、どう捉えればいいのかと
観る者を悩ませる作品になってしまった。。
チャプリンの「独裁者」と決定的に違うのは、独裁者が弱い小人に
為り下がり、彼に同情を禁じえないような場を与えてしまったため、
ユダヤ人でありながら優位に立つ教授の方が、まるきり悪者扱い。
殺そうと思えば殺すこともできる立場にありながら、何度もそれを
見送っては独裁者を生かしてしまう彼が、何かおかしいぞと気付く
後半、ここで何かが起こりそうだぞ…(まぁ演説なんですが)という、
シチュエーションはよく似ているも、演説に説得力がないのが残念。
「独裁者」では、チャプリンが母親の実名を叫んで大演説をしている。
笑わせるだけ笑わせて皮肉ったあと、人生の歓びを高らかに謳う。
まぁ、それとは違う本作なのだから、比べるのもおかしな話だが^^;
ブラックな喜劇ほど、役者と監督と観る者を選ぶところが怖いのだ。
ただそうはいっても、やっぱりミューエの演技は上手い。
悩み苦しみながら決断に迷い、最後は笑顔で締めくくっている。
これが彼の遺作なの…?と思うとなんだか物哀しい気分になるが、
善き人の善き演技を最後に垣間見れただけでも、私は幸せ者だ。
どうでもいいが、ヒトラーにジャージを着せたのはさすが。
(強運の悪者がはびこるのは、ストレスや鬱に苛まれた結果なのか)
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