「練習は嘘をつかない」ひゃくはち 松井の天井直撃ホームランさんの映画レビュー(感想・評価)
練習は嘘をつかない
練習は嘘をつかない。
ベンチ入り出来る者と、スタンドで応援するしか叶わないその差は大きい。
試合に参加出来なくては日頃の“成果”を発揮出来ないのだから。
仲の良い2人。毎年プロ野球に幾多の人材を送り込んでいる名門高校野球部に《一般受験》で入って来た。全国から集まって来た“プロ予備軍”がライバルだけに、2人は口にこそしないがレギュラーになれるとは考えてはいない。
寧ろ「負けたくない!」その気持ちだけが心の支えとなって日々、歯を食いしばり、共に励まし合いながら試合に参加出来るメンバー入りに向かって必死に命を掛ける。
自分をわきまえ“その時”に備え、どちらか“その役割”を担っても良い様に“その”特訓 を欠かさない。
その2人が…。
「お前たちレギュラーに俺達の気持ちが分かってたまるか!」
思わず叫ぶ青野君。
私も身に覚えがあるだけについつい共感してしまう。
他にも、若い新人女性記者役の市川由衣に言う。
「本当は、スタンドにいる奴らはレギュラーの誰でもいいから死んでくれないか…って思っているのを知って貰いたいんです」
強豪高になればなるほど、作品中に描かれているような練習中のピリピリ感は強く、なかなかリアルです。実際はもっとえげつない位の足の引っ張り合いは激しいのですけどね…。
出演者の中では青野君のキャラクターが兎に角良いですね。つい応援したくなります。
監督役の竹内力が、また如何にも居そうな監督で、カラオケで歌う「野風増」が雰囲気にマッチしてます(笑)
少ない場面ながら父親役の光石研が泣かせる役所。
この父親との電話のシーンから大事な甲子園の切符をかけた試合へ。
必死になって、必死になって得た“成果”を今こそ“発揮”する場面。
ちきしょう。泣かせやがってこの野郎!!
立花君がちょっと可哀相だったけどね(笑)
(2008月年9月10日テアトル新宿)