劇場公開日 2008年11月22日

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「【”巨悪VS小悪。そして、小銀行の貸し金庫118に隠されていたモノ。”小悪党たちの所業が、大悪党達の所業を明かすシニカル、実話ベースのクライムサスペンス。】」バンク・ジョブ NOBUさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0【”巨悪VS小悪。そして、小銀行の貸し金庫118に隠されていたモノ。”小悪党たちの所業が、大悪党達の所業を明かすシニカル、実話ベースのクライムサスペンス。】

2023年5月30日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD

悲しい

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幸せ

ー 最近、ジェイソン・ステイタムの主演映画を結構観ているのであるが、驚くのは駄作が殆どないという事である。(勿論私見です。)
  ご存じの通り”トランス・ポーターシリーズ”から彼の役者としての立ち位置がある訳だが、どの作品の脚本も秀逸であり、ジェイソン・ステイタムが演じる役には、どこか美学が漂っていると私は思っているのである。-

■かつては裏社会にいたテリー(ジェイソン・ステイタム)。
 妻と二人の娘のために足を洗い、中古車店を経営するも資金難に陥っていた。
 そんなある日、且つて恋人に近い存在であった知人のマルティーヌから銀行強盗の話を持ちかけられ、5人の仲間と周到な計画を実行する。
 だが、これが王室や政府を巻き込む大事件へと発展する。

◆感想<Caution! 内容に触れています。>

・銀行強盗をしたテリー達は勿論、悪であるのだが、彼らがマルティーヌにそそのかれ(彼女も自由を求めるために政府の裏組織の男ティムの指示に従っていたのだが。)英国の小さなロイズ銀行の貸し金庫を強奪するのだが、その貸金庫に収められていた多額の金塊、紙幣と共にあったモノ。
ー 腐った警察組織への闇献金、表面上は紳士の貴族のSM写真、そして英国王室のスキャンダラスな写真・・。-

■小悪党よりも強大で醜悪な上流社会及び警察組織の腐敗。

・政府の闇組織により捕まり、拷問に掛けられた仲間を救うために、命懸けで交渉するテリーの姿。
ー こういった役を演じたら、ジェイソン・ステイタムは一級である。悪でありながら、観ていると善なる人物に見えてくる。
  それは、彼が仲間を見捨てない信念を持っている点と、家族を大切にする思いが抑制した演技から伝わって来るからである。-

<イギリス王室を”写真により”脅していた表面上黒人の地位向上を謳っていたマイケルXの真の姿や、英国の上流社会及び警察組織の闇を偶々見つけてしまった小悪人たちの姿を描いた作品。
 ラストのテリーと愛する家族が自由を得るシーンは爽快であるが、事実と検証すると何とも言えない作品である。
 だが、今作は映画であるので、あのラストシーンを私は支持したいのである。>

NOBU