「幸せの描き方。」モンテーニュ通りのカフェ ハチコさんの映画レビュー(感想・評価)
幸せの描き方。
名画座にて。
先にやや重苦しい内容の作品を観てしまったせいか^^;
こちらはかなりテンポがよく、最後の最後まで大いに楽しめた。
そしてこちらで描かれるパリ・8区の実在する名門カフェが舞台。
という、いや~是非行ってみたいぞ♪と思わせる観光性も魅力。
この女性監督D・トンプソンの構成力は見事なものだった。
この子も出てたか「スパニッシュ・アパートメント」繋がりで、
C・ドゥ・フランス。お世辞にも美人とは言えないが笑顔が可愛い。
ちょっと空き歯気味の前歯を見せては、ケラケラと笑う彼女に、
このカフェに集う誰もが癒される。飲み物を運んではスルリと
人々の心の隙間に入ってしまうという、これも一種の得意技か。
田舎で祖母の面倒を見ていたという設定が、ピタリとハマる。
場所が場所なので、富豪やら著名人やら俳優やら音楽家やら、
んまぁ~様々な人々が登場するのだが、彼らひとりひとりの
人生観を丁寧に掘り下げていて、群像劇ながらドラマに長ける。
今は亡きS・ポラックも、しっかりと映画監督役で出ていた^^;
彼と絡む舞台女優役のV・ルメルシェがめっぽう面白く(もう最高)
彼女のケータイの着メロがなぜか「サタデー・ナイト・フィーバー」
というのが笑える。しかもいいところで、必ずしつこく鳴る^^;
富豪と息子、そして愛人という複雑な関係が競売に賭ける彫刻に
よって解けていくところ、
田舎暮らしを望む著名なピアニストが、舞台で下着姿になって(!)
オーケストラをバックに演奏するところ、
そして劇場の管理人クローディを演じたダニ(なんだこの名前^^;)
の、ここが好きで好きで堪らなかったのよ!というところ、
どのシーンをとってみても、出逢い・繋がりを大切に描いている。
そして主人公も…(お相手は監督のイケメン息子)
ラストの祖母の登場も上手く描かれ、ほのぼのと心が温かくなる。
近くにいる人を、今以上に大切にしたくなる佳作だ。
(お金で買えない幸せ。それ以外は計画的に買っておきましょう。)