重力ピエロのレビュー・感想・評価
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作品の中に流れる純粋な家族の絆
先ずは、岡田将生君がとてもカッコ良いね。
うん
作中も、そういう役どころなんだけど、何処か繊細で自分ひとりの世界を大事にするというか、閉じこもっているというか
よく演じていると思いますし、この作品でファンになりました。
作品自体は、何が一般社会的に正しいか?
という点では、物議をかもすトコロだとは思いますが
家族の純粋すぎる絆に、胸をうたれました
映画をWOWOWで観て気に入り
↓
小説を買い、読み
↓
また、VODで映画を観る
小説は小説で良いし、映画は映画で良い
いずれも、表現に違いはあれど、どちらもオススメです
サスペンスなんだけど、あたたかい雰囲気に包まれた家族の物語。 悲し...
サスペンスなんだけど、あたたかい雰囲気に包まれた家族の物語。
悲しい内容なんだけど、所々ほっこりできる部分があって。事件が進んでくにつれてどんどん2人の兄弟が落ちていくんだけど、絶望的ではないっていうか、なんか救いがあるように思えて。それは多分、この2人が善人だからっていうのと、2人をちゃんと愛してくれてる人がいるから、お父さんと何よりお互いがいるから、だと思う。
この家族は本当に最強の家族だと思う。特にお父さんは強くて優しくて、素晴らしいお父さん。小日向さん演じるお父さんがすっごく良い。そのお父さんの偉大さもあって、家族に凄く良い絆がある。
その対比として渡部篤郎がいるんだけど、コイツが救いようのないクズで。the悪。渡部篤郎と岡田将生の顔がこれまた似てるんだな~。このキャスティングは奇跡。血の繋がりってやっぱり自分の力で変えられるものじゃないから、どうしても一生付き纏うもので。いい意味でも悪い意味でも強力な力を持ってるなあと思った。
劇中で特に良いと思ったシーンは、春が家燃やして渡部篤郎を殺そうとするシーン。1人の時はためらっていた春が、泉水が来てその顔を見た瞬間安心したように思いっきりボコボコにする。春の本当は臆病っていう性格や、2人の関係性が感じられて凄く良かった。1番シリアスなシーンでもあるのにほっこりした。
翌朝、実家で2人が疲れきって寝てるシーンも凄く好き。もしかして春も死んじゃったの……!?と思わせてからの安心する一コマ。この映画は絶対にハッピーエンドで終わってほしいと願っていたから、この事件の結末はこの先どうなるか分からないけど、2人が最後良い顔をしていたのでああ良かったと思った。
結果的にやってしまったことは悪い事じゃないとは決して言えないけど、それは自分で考え抜いて出したやるべき事ことであって。渡部篤郎のように自分の私利私欲のためじゃなくて色々な人の事を考えてやった事で。善人が悪人をやっつけて、それでも殺人は殺人で。悲しい殺人。何か別の方法はあったのか、どうすれば良かったのかなと思うけど、それが春と泉水が考え抜いて出した結論だから、私にはそれを責められない。
それでもあのピエロのように楽しく生きようとすれば、結末はどうであろうと落ちないのかもしれない。あのエピソードはあの家族のあたたかさを象徴する、救われるエピソードだなと思う。
劇中ではガンジーの名言とか、印象的な言葉がいくつも出てくるんだけど、お父さんがそれ無理でしょっていうようなことを明るく飄々と言うのがすっごく好き。サラッと言うんだけど力強くて、信じられる言葉なんだよね。「楽しそうに生きていれば地球の重力なんて消してしまえるんだよ」とか。本当にそうなんだと思えた。
そういえば夏子さんもナイスキャラだった。彼女もちょっとズレてるけど愛のある人物で、ほっこりさせてくれた。
春と泉水の名前どおり、この映画の雰囲気は春のようにあたたかかった。それはストーリーもそうだし、映像の映し方や音楽も。全てがマッチしていて良かった。リピートしたくなる映画な予感。
かなり重いお話。犯罪者の子息は、環境が変われどもやはり犯罪者になり...
かなり重いお話。犯罪者の子息は、環境が変われどもやはり犯罪者になりやすい?作者の言いたいこととは関係ないのだろうが、ふとそんなことを考えてしまった。
「楽しそうに生きていれば地球の重力なんか消してしまえるんだよ」なぜか心に残った。が、無理だろ!(笑)
エンディングのガンジーの言葉の方がまだ現実的か「自分自身がこの世で見たいと思う変化になりなさい」そんな人うらやまし過ぎだろ!
結局、どう見ればいいか、アホには少し難しい映画でした。
役作りがすごい
原作を読んでからしばらくたっていたのでほとんど忘れていた(笑)
演技力がみなすごい。役作りがすごい。終わりは見えていても終始引き込まれた。
でも泉水の行動力のなさにいらいらした。なんで火事なのに助けに行かないんだろう、とか笑。
親子の会話が心に沁みたが・・・
題名が合わないなあと思いながら観続け、最後の最後に意味がわかったけれど、やっぱりしっくり来なかった。
また、レイプされてまず心配するのは、妊娠の有無や性病のはず。
何にも知らない少女ならともかく、もう子供一人産んでる大の大人だ。
ましてや、レイプされたことを夫にも警察にも言えなかったならともかく、そうではないのだ。
それなのになぜ、すぐ産婦人科に行かなかったのか。
アフターピルは飲まなかったのか。
レイプ犯の子供を出産するあたっても、もっと納得できるシーンが欲しかった。
悟らせるのではなく、ちゃんと描くべき部分だと思う。
その部分さえしっかり描かれていれば、高評価できたしもっと感動できただろう。
題材も面白いし、凄い事が起こっているのとは対照的な淡々とした感じが『普通の日常』っぽくて良い。
父と子の会話シーンも、すごく素敵で心に沁みる。
それだけに、もったいなかった。
よかった。
まず、よかったのは展開がベタじゃない。
本当にストーリーを楽しめた。
驚きも悲しみも全部。
岡田将生さん。
彼は僕の中で1番かっこいい俳優。
そんな彼の姿は素晴らしかった。
はるの子ども時代を演じた北村匠海さんも
かなりよかった。
本当にいい話でした。
@crimson
家族の絆は、強い。
サスペンスもの。弟の春はクールで天才だけど、特殊すぎるシチュエーションに身を置き、感情を推し量ることはとてもむずかしい。見ていて理解と感情が追いつかず、最後まですっきりできませんでした。。残念。
しっとり寂しいけど幸せな
仙台で起きている連続放火事件。現場近くに描かれるグラフィティアートとの関連性に気付く弟と、遺伝子パズルになっている事に気付く兄。事件を探るうちに24年前に家族を巻き込んだ事件とも繋がりが見え…。辛い過去に深く関係する弟を持つ兄と家族の物語。伊坂幸太郎原作。
原作を読んでいたはずなのに、映画を観てみるとほとんど覚えていなかった事に驚いた。印象に残ってなかったのだ。そんなに悪い話でもないのに、何かインパクトに欠けるんだろうなぁ…。映画は伊坂幸太郎の独特の不陰気はあって、音楽とのバランスや全体的に流れる切ない感じは胸に沁みる。不幸も幸せの一部になって浄化へと向かう様子は、確かに兄・弟・家族の強さを感じる。父役の小日向文世の静かな演技が良かった~。
どんでん返しよりもテーマ
伊坂原作の中では、どんでん返しは弱め、テーマは強め、な感じでした。自分の血を乗り越える。その血が禍々しいものなら乗り越えるのは苦難。それを家族と愛の力でなんとか。
鴨とアヒルのコインロッカーに続き
伊坂幸太郎作品2本目。なるほど。共通している雰囲気は伝わりました。
鴨とアヒルより展開にワクワクしたかな。でも、終わり方がやはり個人的に好きではない。
ここに伊坂幸太郎の一番熱い思いがあるのでしょうが、観る側との相性ですね。
春が二階から落ちてきた
兄弟愛と父親との関係が実にいい雰囲気でよかった。前半、兄弟協力して放火犯を探し出すという設定で、しかも推理ゲームのように次の放火場所とかを特定するところなど興味深かった。ただ、途中からとんでもない展開になってしまって、前半がよかっただけに非常に残念。原作がそうなっているなら、致し方ないのだが。
実際、この映画でも原作でもその途中からの展開が本命なのだろうが、個人的には拒否反応してしまった。
(タイトルは、原作の冒頭の書き出し部分)
新鮮
母のための復讐。何でも見透かしている父。団結力のある兄弟。言葉だけで聞くとありがちな物語だけれど、作品を観るとどこか新鮮さを感じる。自分でもこじの実体が何かはわからない。
そして最後には最後らしくすっきりさせてくれる。良い意味で何か心に引っかかる作品だった。
ぜひみなさんも一度。
ミステリでファンタジーで家族物語
伊坂幸太郎さん原作、同名小説の重力ピエロの映画版。
まずは原作の話を。
原作がとにかく名作。
ミステリでファンタジーで家族物語。
伊坂幸太郎さんの書く物語は全て、現実世界のファンタジー。
死神の精度とか、オーデュボンの祈りとかは設定が完全に現実世界の域を出ているファンタジーなんだけどそれなのに完全なるファンタジーではない。
本だからこそできること、設定を最大限に無理のない範囲で楽しんでいるような世界観こそ伊坂さん!
おしゃれすぎる会話ができちゃう人とか素敵過ぎる人がたくさんでてくるんだけど「そんなやつおらんやろ!」って思ったりしない。それはファンタジーだから。だけど突拍子なくもない。それは現実世界を描いているから。
むしろ、こんな人いたらいいな、とかこんな世界だったら素敵だろうな、と思えるような世界観。
現実から1センチ浮いたあたりを低空飛行しているようなそんな世界観がとても魅力的。
たぶんとにかくリアリズムを追及したりする方はあまり好きではない方も多いのではないかと思うけどそこはまあ個々の好みで。
重力ピエロもそんな低空飛行小説。
泉水と春の物語。英語にするとどちらもスプリング。
母親のレイプ事件によって生まれた春。ふたりにつながりを持たせたくてスプリング、と隠れたつながりを持たせた両親。
とにかく原作が名作なので、映画はどうなんだろう・・・とおもったけれど「映画として」いい映画でした。原作に出てきたほしかった場面がなかったりしたけど、2時間半だしそこは仕方なし!
まずキャスティングが最高!
お兄ちゃんの泉はなんていうかすごくニュートラルな役柄で、おとなしいというか地味というか、やっぱりニュートラル。優秀で男前な春と比べられ続けて物事を斜めに見る癖が付いている、と自分で言うんだけどやっぱりそれでもニュートラルな感じのする不思議な役柄。だけど内に秘めた思いの強さとかそ―ゆー部分をもっている役柄。
加瀬亮くんが泉。やっぱり加瀬くんはなんでもできるな。すごい。
「性的なもの」をとにかく毛嫌いする美しすぎる青年、春は岡田将樹くん。これまた春を具現化したような人。
ほいで今回の映画の主役といっても過言ではない、名俳優、小日向文世さん!!!
この、重力ピエロで一番重要な役なのは実はお父さん。
まじめで実直な父。ぱっとしない感じなんだけど本当はすごく強くてまっすぐな父親。小日向さんの役作りで原作よりもだいぶひょうひょうとした感じになってたけどそれもまた良かった。
個人的にちょっと残念だったのはお母さん役の鈴木京香さん。原作のイメージとちょっと違いすぎたような。。
もうちょっと普通の母親っぽい色気のない感じの人がよかった。色気ありすぎた。
ということで今回の印象的なシーンはどちらもお父さんのセリフから。
1.俺たちは最強の家族だ
これは父が劇中何度か投げかけるセリフ。
映画化されると聞いて一番に思ったのが、このセリフを父親役の俳優さんがどう演じるのか?というところ。
諭すように言うのか、強く訴えかけるのか。ともすればうそくさく薄っぺらくなってしまうであろうこのセリフ。
これはもうとにかく見ていただきたいです。これだけでこの映画見る価値ありと私は思ったりします。
2.春はピカソが死んだ日に生まれた
春は絵がうまくて小学生の時にコンクール的なものに出典されたりするんだけどそれがまぁ原因で友達のおばちゃんに嫌みを言われる。要するに血がつながってないから的な。
そのあと、家族4人で車に乗ってるときのシーン。
どうして自分だけ絵がうまいのかという春に父親がいう。
春はピカソの生まれ変わりだからだと。
ピカソが死んだ日に春は生まれたんだと。
うわー、お父さん最強。すげぇ。
こういうのを強さとかやさしさっていうか人間としての魅力というんでしょうな、って思った。
何に対してもじぶんなりの答えを持っているというか。やさしい答え。
春は大人になってもピカソを敬愛している。
父のこの言葉がよりどころだったのかもしれない。
こんな人になりたいしこんな人がそばにいたら素晴らしい。
重たいという人も多いしなんせあの分厚い本が2時間半になってるからちょっと唐突なとこも多いけど俳優陣が素晴らしいのですごく楽しめると思います。
どっちかというと原作読んだことある人の方が楽しいのかも。
あと、ぎゅーんってなるのが「赤の他人のくせに父親ヅラすんじゃねぇよ」って春が言うシーン。
これは実の父親、つまりレイプ犯に向ける言葉。
強い決意と自分への決別のようなセリフ。うーむ、重たい。
イメージ的には日曜日の夕暮れ。
楽しかった思い出と明日への憂い。でもまた始まる明日への希望とか。
ぜひぜひみていただきたいです~
説教臭くなくて好き
確かに一見暴力を肯定するような内容に見えなくもないけど、セリフじゃないところで静かに暴力の否定に、まさに重力を感じさせないが如くに着地してるところが上手いし説教臭くなくてすごく好き。ベタだけど最初と最後のシーンが対になってる演出も好きなので、思っていたより全然良かったです。画面の雰囲気も独特ですよね。春の長セリフは全体的に「ああ小説っぽい」感じでそれもまた良い。小粒な良作って感じなんですかね。吉高由里子さんの非モテ女子演技の不自然さだけちょっと。
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