「しっとり寂しいけど幸せな」重力ピエロ kalichan88さんの映画レビュー(感想・評価)
しっとり寂しいけど幸せな
仙台で起きている連続放火事件。現場近くに描かれるグラフィティアートとの関連性に気付く弟と、遺伝子パズルになっている事に気付く兄。事件を探るうちに24年前に家族を巻き込んだ事件とも繋がりが見え…。辛い過去に深く関係する弟を持つ兄と家族の物語。伊坂幸太郎原作。
原作を読んでいたはずなのに、映画を観てみるとほとんど覚えていなかった事に驚いた。印象に残ってなかったのだ。そんなに悪い話でもないのに、何かインパクトに欠けるんだろうなぁ…。映画は伊坂幸太郎の独特の不陰気はあって、音楽とのバランスや全体的に流れる切ない感じは胸に沁みる。不幸も幸せの一部になって浄化へと向かう様子は、確かに兄・弟・家族の強さを感じる。父役の小日向文世の静かな演技が良かった~。
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