パンダフルライフのレビュー・感想・評価
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美人でしょ?腰もきっとしまっていて
映画「パンダフルライフ」(毛利匡監督)から。
単純に、パンダの暮らしを紹介するドキュメンタリー映画。
ナレーター役の女優・管野美穂さんの声も画像に合っていた。
パンダの子育ての様子は、ほとんど知らなかったので、
とても興味深く見ることができた。
今回の一言は、中国の四川省にある「成都大熊猫繁育研究基地」
(パンダを絶滅から救おうとしている施設)に働く飼育係の言葉。
思わず「クス」っと笑ってしまい、メモしてしまった。
どうみても「(垂れ目で)美人ではない」し、
上半身と下半身の境なんてわからないのに、まじめな顔して
撮影クルーに向かって呟いた「腰もきっとしまっていて」は、
彼にとっては、パンダは本当に可愛いんだな、と感じさせた。
映画によると、パンダは、氷河期に食べ物がなく、
肉食動物から草食動物へ進化していったようだ。
作品のキャッチコピー
「毎日に疲れたら、有休とってパンダしよう」を目にして、
「ゆっくり流れる平和な時間を過ごそう」と読み替えてみた。
パンダだけは、なぜか今でも、あのしぐさを見ると
誰か人間が入っているに違いない、と思ってしまう動物である。
かなり厳しいものがあります
パンダを愛して止まない知人に付き合って観に行きました。
そんなわけでもともとあやしいなあと思ってはいたのです。
可愛いパンダが見れればそれで満足という人が観に行くような映画であろうから、真剣に論評するのも大人気ないと思っていました。
楽しみは人それぞれですから。
しかし実際に観てみるとそういうレベルの話では無いのです。
なんとパンダ大好きなはずの知人ががっかりしていたのですよ。
私を付き合わせた手前ものすごくバツが悪いらしく、気の毒なくらいでした。
まず「ドキュメンタリーである」との表現がそこここに見られますが、ドキュメンタリーとしてはまったくもってお粗末。(まあ判ってはいましたが)
何が言いたいのかさっぱり。
ドキュメンタリーを期待して観に行く人はあまりいないと思いますが、厳しいですね。
では可愛いパンダ映像集として観るとどうか。
というとこれまた今ひとつ厳しい感じなのです。
私には「愛が足りないなあ」という風に感じられました。
愛犬家が自分の犬の写真を人に見せるときの、あの感じが無いのです。
もっと可愛い画は撮れるんじゃないですかねえ。
(可愛いの基準が違うのかもしれません)
パンダを題材に映画を作れば世のパンダ好きどもが観に来るに違いない、と思って作られたかのような印象です。
そうやって作った作品に「癒されたいなら有給とってパンダ」みたいなキャッチコピーをつけて、ついでに菅野美穂の名前を添えて、パッケージのイメージや雰囲気だけで客を集めようという、なんだかパンダ好きを愚弄した商いに見えます。
たとえば、これだけパンダを中心に据えておきながら、あってもよさそうなパンダ保護へのチャリティー企画とか、大地震でダメージを受けた中国の施設への募金活動とかありません。映画館で販売しているパンダグッズも収益金の一部がパンダの保護のために寄付されたりする様子はありません。
(私が見落としただけかもしれません。だったらごめんなさい。でもそうだとしたらアピール足りな過ぎですよ)
別にそういうことするのがいいと思ってるわけじゃないですけど、なんだか妙な感じです。
やはりこれはパンダを愛する人をターゲットにした、集金システムなのでしょうか。
パンダたちのために、パンダが好きな人たちのために、という視点がまるで欠如していて、そこに作り手側の愛を、誠意を感じられないのです。本当ならこの映画を観たパンダ好きたちはもっと幸せになってもいいはずです。
こういう映画が商いとして成立してしまうのはあまり好ましいことではありません。いつまでもこんなことしてちゃ駄目です。
もっと志の高い映画が増えて欲しいです。
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