「デイジーが語るキャロラインの父親」ベンジャミン・バトン 数奇な人生 Don-chanさんの映画レビュー(感想・評価)
デイジーが語るキャロラインの父親
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人は年齢を重ねて老化現象を経て死んでいくのが当たり前のサイクルなのだが、今作のベンジャミンは何故か生まれた老人が年齢を重ねるにつれて若くなっていく。
1918年の第一次世界大戦が終わった日の夜に生まれたからなのか、逆回転する時計が関係しているのか、雷の影響なのか原因の特定には至らないので考察の余地がある。
ラストは逆回転する時計が水に流されてしまうし、既にベンジャミンはこの世にいないわけで、キャロラインの父親であるベンジャミンという男についての唯一の証拠が、日記やら手紙等の文献しかないというところが聖書を彷彿とさせられる。また、赤ん坊になったベンジャミンを老いたデイジー(ケイト・ブランシェット)が抱きかかえるシルエットは聖母マリアのようにも見える。産まれたばかりの頃ベンジャミンが実の親から離れ、別の親に大切に育てられた経緯はモーセのようでもある。今作は聖書が根底にありそうだ。
奇跡を実体験したデイジーが娘に語り継ぐというところにロマンを感じる。
キャロラインの母親であるデイジーの話の信憑性を疑う見方をしても面白いかもしれない。
老化という不思議な現象についても考えさせられた。
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