「とっても渋くて苦いフォレストガンプ」ベンジャミン・バトン 数奇な人生 うそつきカモメさんの映画レビュー(感想・評価)
とっても渋くて苦いフォレストガンプ
生老病死。
特に、老いについて深く掘り下げた作品です。
ブラピはストーリー上若返っていきますが、これをあえて逆にとらえ、老いていると考えれば、すんなりとストーリーが入ってきます。
老いた母を看取る、娘目線でストーリーを追えば、そうなると思います。
死の寸前に、出生の秘密を打ち明けられる娘。
自分の父は、特殊な人間だった。
と言われても、一緒に生きたわけでもないし、「こんな人だったのよ」「ふーん」という位の感想なのではないだろうか。
そして、私が感じたのは、ストーリーの語り口や、映像に大きく頼る技法。作品のテーマの類似性など、『フォレスト・ガンプ』にとてもよく似ているということです。
割と肯定的に捉えたのですが、今では当たり前になりつつある、映像加工の技術が、『ガンプ』当時ではおおきな話題をさらったのです。それ目当てで観に行く人も多かったと記憶します。
映像のマジックが、さほど話題にも登らなかったのは、作品の本来のテーマがブレずに観客に伝わったからでしょうか。そこは、D.フィンチャー監督の堅実な作風が貢献したと言えるでしょう。
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