「ぎすキャン△ 2部作の前編のはずなのだが、内容がまるで無いよう。」ハリー・ポッターと死の秘宝 PART1 たなかなかなかさんの映画レビュー(感想・評価)
ぎすキャン△ 2部作の前編のはずなのだが、内容がまるで無いよう。
“生き残った男の子“ハリー・ポッターとその仲間たちの冒険を描いた魔法ファンタジー映画『ハリー・ポッター』シリーズの第7作。
ダンブルドアの遺志を継ぎ、「分霊箱」を見つけ出す旅に出るハリーたち。しかし、デスイーターがその行く手を阻む…。
原作はJ・K・ローリング。
○キャスト
ハリー・ポッター…ダニエル・ラドクリフ。
ロン・ウィーズリー…ルパート・グリント。
ハーマイオニー・グレンジャー…エマ・ワトソン。
ベラトリックス・レストレンジ…ヘレナ・ボナム=カーター。
ヴォルデモート…レイフ・ファインズ。
セブルス・スネイプ…アラン・リックマン。
リーマス・ルーピン…デヴィッド・シューリス。
新任の魔法大臣、ルーファス・スクリムジョームを演じるのは『ラブ・アクチュアリー』や『パイレーツ・オブ・カリビアン』シリーズの、名優ビル・ナイ。
ウィーズリー家の長男、ビル・ウィーズリーを演じるのは『わたしを離さないで』のドーナル・グリーソン。
ヴォルデモートが出現するまで最も危険な人物だとされていた闇の魔法使い、ゲラート・グリンデルバルトの青年期を演じるのは『スウィーニー・トッド フリート街の悪魔の理髪師』『ニュームーン トワイライト・サーガ』のジェイミー・キャンベル・バウアー。
メインテーマはジョン・ウィリアムズ。
約10年に渡り続いてきたこのシリーズもついに最終章に突入!原作者J・K・ローリング自らが製作を務めるなど、クライマックスに向けかなり気合いを入れている事はわかるのだが…。
これまでのシリーズ作品は、上下巻に分けて発行されていた原作小説を1本に纏めて映画化していた。そのため情報がかなり圧縮されており、基本的にはどれもかなり忙しない映画になってしまっていたように思う。
しかし今作『死の秘宝』は原作同様に前後編の2部作として公開されており、長大な物語をしっかりと時間をかけて映像化していこうという意志が伝わって来ます。やはりローリング女史も映画版の圧縮具合には不満を持っていたのかな?
さてさて、そんな最終章2部作の前編はどうだったかというと…。
うん、つまらない!
前作に輪をかけてつまらない!
ペース配分間違えてんじゃねえのか?と疑問になるほどのスカスカさ。残り4つある分霊箱のうち1つしか壊せなかった上、更に「死の秘宝」の捜索というミッションまでもが追加されてしまった。風呂敷畳むどころか余計に広げちゃってんじゃねーか!!
それじゃ約150分という長いランタイムの中、一体ハリーたちは何やってるのかというと、ひたすらにキャンプしてる。超ギスギスしながらキャンプしてる🏕
…やっとる場合かーーッ!( ‘ ^’c彡☆))Д´) パーン
最終章なんだからもっとヴォルデモート軍団との戦いが描かれるのかと思っていたら、ずーーーっとぎすキャンを観させられる。ギスギスしたキャンプなんてやってる側だって楽しくないんだから、観客が楽しい訳ないじゃん。
しかもペンダントつけて闇落ちとか、『ロード・オブ・ザ・リング』(2001-2003)で観たやつがそのまんま描かれている。というか、暗さといいギスギスさといい、今回は『王の帰還』(2003)のフロド&サム感が強すぎ。西洋ファンタジーが「指輪物語」の呪縛から逃れられないのは仕方ないとしても、なんで『LotR』で一番退屈なフロド&サムパートを踏襲してしまったのか…。コレガワカラナイ。
脚本にも大いに問題あり。あまりにもご都合主義的展開が多すぎる。
前回の引きである「R・A・B」なる人物。当然本作のメインミッションはこの人物の捜索だと思っていた。しかし蓋を開けてみればまさかの偶然!?たまたま訪れたシリウス・ブラックの家でR・A・B =レギュラス・アークタルス・ブラックを見つけるって…。作劇的にそんなんありなのか💦
本物のペンダントの在処やドビーの助力、グリフィンドールの剣の件などもまぁご都合主義が過ぎる。この辺は原作通りなのだろうが、映画化にあたってもう少し理屈だった筋立てに出来なかったものか。ティーン向け作品とはいえ、これじゃ子供騙しにもなっていないっすよ。
それと、丁寧にやるのはいいんだけど、最終章で突然登場人物が増えすぎっ!💦
マンダンガスだのエルファイアスだのバチルダだのグリンデンバルドだの、新キャラが多すぎて全然頭に入ってこない。しかも「そいつ登場する意味ある?」みたいなキャラも多いし…。
これまでが端折りすぎていた、ということなんだろうけど、最後の最後でこんなに詰め込む必要は無いだろう。おかげで「7人のポッター作戦」の時のメンバー、半分くらい「誰だお前?」状態でした。まさか最終章でいきなりロンの長兄が出てくるとは…。もっと前から登場させとけよ😅
そして相変わらず役に立たないマッド-アイのオッさん。死亡シーンすら描いてもらえないというのはちょっと可哀想…。
今回もダークな要素はかなり多い。画面も暗けりゃ話も暗い。ヘドウィグやドビーの死など衝撃の展開が続くが、一番驚いたのはロンのコンプレックスが視覚化されたシーン。
ハリーとハーマイオニーが!裸で!!ブチューって!!!
彼らがちびっ子の頃からその成長を見守ってきている分、このシーンの衝撃はかなり強い。いやちょっとここは子供には見せられませんね…。
あと衝撃…というか笑撃だったのは謎の氷風呂タイム。前回のダンブルドア虐待を思い出させる爆笑必至のシリアスギャグシーンッ🤣
ただひとつ。確かにこのシーンは笑えるんだけど、ハリーに胸毛がもっさりと生えていて、そこが気になって気になって…。そりゃハリーにも胸毛くらい生えるだろうけど、あのちびっ子にもこんなにモッサリと毛が生えるんですね〜…。
とまぁ、一から十まで退屈だったわけでは無いのだが、ダラダラダラダラ長すぎる。
本作の内容ならマジでギュッと纏めれば30分くらいになったと思うので、わざわざ2本に分割しなくても1本でなんとかなったんじゃねぇのかな?
小説を映像化する際に行うエピソード/キャラクターの取捨選択の必要性、そして男女3人でキャンプしてはいけないということを学べる作品でありました。
※「7人のポッター作戦」なんだけど、これ姿くらまし/姿あらわしの魔法でピュっと飛んでいけばよかったんじゃないの?もちろん何かしらの理由があってこの魔法を使わなかったんだろうけど、映画を観ているだけだとその理由が全くわからなかった。そういう詰めの甘さがこの映画にモヤモヤしちゃう原因だよなぁ🌀
本作も笑えるシーンがありますが、このレビューのほうが、もっとずっと笑えます。きっとツッコミが冴えてるからでしょうね。☆の数は少なめですが、このレビューを読んで「逆に観てみたい」と思う人が続出しそうです。
べすぱさん、コメントありがとうございます♪
「ギスギスしながらキャンプをする」という、全く新しいジャンルの映画でしたね笑一緒に映画鑑賞する機会があれば、一所懸命ツッコミさせていただきます♪
『スイス・アーミー・マン』は未見なのですが、そんなにケツ毛が凄いんですか…🫣どれだけ凄いのか、なんだか観てみたくなってきました…!
ギスギスキャンプって!笑
一緒に観ながら横でツッコミ中継してもらいたい!笑
胸毛も衝撃ですが、スイスアーミーマンのケツ毛もすごいですよ!
ハリポタ1作目よりスイスアーミーマンを先に観てしまって、まだ可愛らしハリーを見ながら、こいつケツ毛になるんだよな〜の気が散るパターンでした!


