252 生存者あり : インタビュー
大都市・東京を大津波や巨大台風が襲い、崩壊した地下鉄新橋駅に取り残された生存者たちと、彼らを助け出そうとするハイパーレスキュー隊。双方の奮闘を緊張感たっぷりに描き出す「252/生存者あり」が公開される。eiga.comでは、この日本映画史上最大級のスペクタクル映画のキャスト、監督にインタビューを敢行。3週連続でお届けする第1回は、主演で兄弟役を演じた伊藤英明と内野聖陽。
→第2回:MINJIインタビューはこちら
→第3回:水田伸生監督インタビューはこちら
第1回:伊藤英明&内野聖陽 インタビュー
「極限の中での人と人とのつながりを感じてほしい」(伊藤)
「大都市・東京での災害がもはや他人事ではない」(内野)
伊藤が演じたのは、ある理由でハイパーレスキュー隊員を辞め、妻子と静かに暮らしていた祐司で、被災者たちをまとめあげ生還を果たそうとする。一方、内野が演じた祐司の兄・静馬は、現役のハイパーレスキュー隊隊長で、弟を救いたい気持ちと、隊長としての職務との板ばさみで苦悩する。兄弟の熱い絆を見せてくれた2人の素顔は?
――初共演でお互いの印象は?
伊藤:「もっととっつきにくい方なのかなというイメージがあったんですが、気さくで面白い方で。初めて会ったとき、いきなり『弟よ!』って声をかけられて(笑)。それでかなり気分が高揚しました」
内野:「そうだっけ? すっかり忘れてた(笑)」
伊藤:「現場でもかなり引っ張っていてくれたので、結構助けられました」
内野:「伊藤くんはもっと生意気なのかと思っていたら……こんなにいい男なのに、すっごい、いいヤツ(笑)。こんなナイスガイはなかなかいないと思いました。あとはやたらと体を使いたがる(笑)。ハイパーレスキューの訓練でも、いの一番に行動してて。気持ちのいい男だなというのが一番の印象です」
――体を使うのは好きなんですか?
伊藤:「元ハイパーレスキュー隊員という役ですし、隊員がやっている訓練なんだからと思って頑張っていただけなんですけど(笑)。まあ、でも基本的に体を使うのは好きです。そう言う内野さんも、体柔らかいし、結構動いてましたよね。率先して『これはなんですか?』って質問したり」
内野:「隊長は肉体的にどうこうというより、むしろたたずまいや心構えのほうが大事かなと思って、どちらかといえばそういうことを質問してたんだ。隊長として普段、隊員たちをどう思っているかとか、災害現場で隊長は真っ先ににどんなことを考えるのかとか」
――訓練でお互いにライバル心が芽生えたりはしませんでしたか?
内野:「それはなかったね(笑)」
伊藤:「ハイパーレスキュー隊員としてのディテールがしっかりしていないと、台本にない部分を肉付けできないので、頭や体で感じて叩き込んで……。自分のことで精一杯でした」
内野:「“ハイパーレスキュー”って、あまり一般に浸透してないでしょう。俺も全く同じで『普通のレスキューと何か違うの?』って思っていたら、ものすごい人たちなんだ。日々めまぐるしく進化しているあらゆる救助器材を、縦横無尽に操る。重機にしてもひとりで何種類も操っちゃう」
伊藤:「そのマニュアルが全部頭の中に入っていてね」
内野:「そう。向上心の塊な人たちで、寸暇を惜しんで訓練や勉強をしている。その中で隊長になる人なんていったら、もっとすごい。経験もあって、あらゆる状況に対するオプションが頭の中にある。そんな役を演じるので、とにかくちゃんと聞いておかねばと思ってやってました」
伊藤:「彼らの動きの中には無駄がひとつとしてない。そういうのって台本には描かれていないし、クローズアップはされないけど、キャラクターの背景として自然にできていないといけない。そこからなんですよ、お芝居が始まるのは」
内野:「機敏に的確に動いたりっていうのは、撮影現場では一朝一夕にはできないから、練習や訓練を何度も繰り返した上で現場に臨みました。だから現場ではわりと自由でした」
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