ブーリン家の姉妹 : インタビュー
姉妹役で初共演を果たしたスカーレット・ヨハンソンとナタリー・ポートマンのインタビューをお届け。映画の中では運命に翻弄され、否応なく対立してしまう姉妹を演じたが、実際の2人の素顔は?
スカーレット・ヨハンソン&ナタリー・ポートマン インタビュー
――歴史上の名高い人物を演じることや、イギリスのアクセントを使って演じることはいかがでしたか?
ナタリー・ポートマン:「役のために学ぶことがたくさんある時って、いつだって胸がワクワクするものだと思う。その時代に関する幅広い知識を身につけることができるし、当時の暮らしや特有のアクセントを学ぶことだってできるんですもの。挑戦を要する課題ではあるけれど」
スカーレット・ヨハンソン:「難しい課題よね」
ナタリー:「でも、それがなければ退屈なんじゃないかしら」
スカーレット:「確かに私たちには準備が必要だった。ニューヨーカーのナタリーと私は、セットを離れてもアクセントの練習をしようとしていたのよ。『あの51丁目のデリって、素敵よね』なんてことを、イギリス式のアクセントで話したりして(笑)」
ナタリー:「そうだったわね(笑)」
スカーレット:「私は『こんなのバカげてるわ。今はこのアクセントを封印して、セットに入ったら実践すればいいじゃない』って思ってた(笑)。でも、準備は大変だったけれど楽しかったし、ナタリーと一緒に乗り越えられたからラッキーだった」
――あの衣装には苦労したんじゃないですか?
ナタリー:「とても美しい衣装だったわ。衣装を着ると歩き方や立ち方が変わるから、役になりきることができるの。スカーレットも言ってたけれど、いつもと違う距離感が生まれるのよね。スカートが広がっているせいで、誰かをハグすることもできないから」
スカーレット:「あの衣装は、当時の女性に課せられていた制約を常に思い出させてくれたわ。それに、凝った衣装を着ていると愛情表現の方法も違ってくるということを知ったわね。ランチの後にあの衣装を着るのは、決して愉快なことではなかったけれど(笑)」
ナタリー:「食事の後で衣装を着ると、いつもより少し苦しいのよね」
スカーレット:「そうなのよ(笑)」
――この姉妹は、気弱な父親と野心的な叔父によって危険な状況に追い込まれますが、彼女たちの境遇を悲劇的だとは思いませんか?
スカーレット:「この物語で最も悲しい部分のひとつは、彼女たちが幼い頃から自分の性格や追求すべき目的を言い渡されていたことだと思う。姉妹のうち1人は人を操作するのが得意な子で、もう1人は優しい子という風に決め付けられていた。もちろん2人とも、その通りに育ったわけだけれど……」
ナタリー:「彼女たちにだって、多面性はあったのにね」
スカーレット:「2人とも様々な顔を持っていたのよ。それでも彼女たちは、決められた枠に自分を押し込もうとした。自分の生き方やイマジネーションを模索したり発展させたりする機会を子供から奪うなんて、悲しすぎるわ。だから彼女たちは、悲惨な結末を迎えたのよ」
ナタリー:「彼女たちは、ブーリン家が作り上げた“製品”だったということなの。権力や富、名声を手に入れるためには何をしてもいいという不純きわまりない価値観を、彼女たちは幼い頃から植え付けられていたんだわ。現代の価値観とは大違いよね。でも彼女たちの間には、決定的に違う点が1つだけあるわ。アンは家族が押し付けた価値観を受け入れて決められた道を進んだけれど、メアリーはそういう思い込みから脱却したのよ」