劇場公開日 2008年5月3日

「事実は事実として冷静に受け止めれば…」靖国 YASUKUNI KENZO一級建築士事務所さんの映画レビュー(感想・評価)

3.0事実は事実として冷静に受け止めれば…

2023年4月3日
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鑑賞方法:DVD/BD

どんな映画作品でも、公開そのものは、
表現の自由の観点からは、なんら制約を
受けるべきものではないだろう。
問題は、
文化庁所管の特殊法人からの助成金を
受けるべき作品かどうかの判断
なのだろうが、この点については
私の見識を超えた世界になってしまう。

しかし、過去のスチール写真の真贋に
ついては仮置きした上で、
また、監督の演出目的に即した場面の
連続した抜き出しではあるだろうが、
画面に映し出される靖国神社内の出来事は
ある意味真実だろうから、
我々はこの内容を冷静に受け止め、
見識を広める切っ掛けとすれば
良いのではないだろうか。

ただ、国会議員に問いたいのは、
あなたちはいつから参拝を始めたのか、
どなたか親族の方でも
祀られているのだろうか、
参拝は議員になってからではないのか、
それが国を率いるようになってからで、
国のためとの意識であるならば、
何もパフォーマンス的に
靖国参拝をするまでもなく、
心の中でそれを念じれば良いのではないか。

宗教的行為はあくまでも
個人的な事情に帰するべきもので、
その域を越えた宗教的行為が
世界に不幸をもたらしてきたことは
歴史が示している。

戦争中に、出征への
ひとつの装置になっていた一宗教施設へ、
公人として参拝することの
社会的影響については、国会議員として
よくよく考えるべきではないだろうか。

KENZO一級建築士事務所