靖国 YASUKUNI

劇場公開日:

靖国 YASUKUNI

解説

日本在住の中国人ドキュメンタリー監督リ・インが、靖国神社にまつわる様々な事象を10年間に渡って取材して完成させた日中合作のドキュメンタリー。毎年狂乱の様相を呈する8月15日の靖国神社を記録したほか、靖国神社のご神体として敗戦までの12年間で8100振りも作られたという“靖国刀”の鋳造を再現する刀匠の姿を通し、その歴史的意味を明らかにしていく。ベルリン国際映画祭をはじめ世界各地の映画祭で大反響を呼んだが、日本国内では上映を自粛する映画館が相次ぐなど物議を醸す。

2007年製作/123分/日本・中国合作
配給:ナインエンタテインメント、アルゴ・ピクチャーズ
劇場公開日:2008年5月3日

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映画レビュー

3.0事実は事実として冷静に受け止めれば…

2023年4月3日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

どんな映画作品でも、公開そのものは、
表現の自由の観点からは、なんら制約を
受けるべきものではないだろう。
問題は、
文化庁所管の特殊法人からの助成金を
受けるべき作品かどうかの判断
なのだろうが、この点については
私の見識を超えた世界になってしまう。

しかし、過去のスチール写真の真贋に
ついては仮置きした上で、
また、監督の演出目的に即した場面の
連続した抜き出しではあるだろうが、
画面に映し出される靖国神社内の出来事は
ある意味真実だろうから、
我々はこの内容を冷静に受け止め、
見識を広める切っ掛けとすれば
良いのではないだろうか。

ただ、国会議員に問いたいのは、
あなたちはいつから参拝を始めたのか、
どなたか親族の方でも
祀られているのだろうか、
参拝は議員になってからではないのか、
それが国を率いるようになってからで、
国のためとの意識であるならば、
何もパフォーマンス的に
靖国参拝をするまでもなく、
心の中でそれを念じれば良いのではないか。

宗教的行為はあくまでも
個人的な事情に帰するべきもので、
その域を越えた宗教的行為が
世界に不幸をもたらしてきたことは
歴史が示している。

戦争中に、出征への
ひとつの装置になっていた一宗教施設へ、
公人として参拝することの
社会的影響については、国会議員として
よくよく考えるべきではないだろうか。

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KENZO一級建築士事務所

5.0靖国コスプレショー

2019年12月23日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

 右翼の妨害に遭い上映中止などの騒動があった問題作。文化庁推薦とか協力という問題も浮上していたようですが、この田舎石川県にまでは届いてこなかったようです。上映映画館であるシネモンドのある109ビル前では第三日曜日には右翼の街宣が行われるのに、『靖国』上映には何も言ってこなかったらしい・・・なぜだか「右翼でも左翼でもない。中翼(仲良く)だ!」という名言を残した藤岡弘、を思い出してしまいます。

 そう、この物議を醸し出した映画。頭の中を空っぽにして観ると、中国人監督が作ったドキュメンタリーとは思えないほど中立の立場で描かれていることがわかります。終戦記念日である8月15日には時代錯誤甚だしい軍服姿のじいちゃんや、「大東亜戦争は侵略戦争じゃない」と声高に主張する右翼のあんちゃんなど、様々なパフォーマンスが見られ、神社の敷地内だけがタイムスリップしたかのような錯覚に陥ってしまうほど。中には「小泉首相を応援する」と主張するヘンなアメリカ人もいたり、その外人に対して意図もわからないのに「リメンバー、ヒロシマ」と罵声を浴びせる人もいたりして、ドキュメンタリー作家にとっては美味しい素材がいっぱいあるんですね。

 失笑を禁じえないパフォーマーの姿々。そんな数々の愉快な人たちの中でも、不謹慎かもしれませんが、「南京大虐殺を否定する」署名運動が一番笑えた・・・署名したからって、どうなるってーのよ。「ほら、こんなに署名が集まったんだから南京虐殺なんてなかったでしょ?」とでも中国人に訴えるんでしょうか?同じ日本人として“なかったことにしたい気持”は理解できるけど、そこまでやるんだったらセコセコと靖国内でやるより、堂々と南京に乗り込んで行ってやってもらいたい。もちろん署名運動団長は石原慎太郎、副団長は稲田朋美で。

 中立的という世間的評判とは裏腹に、個人的には風刺のパンチ力がかなりあったように感じました。とくに、日本人の心を尊重することを主張する元首相の言葉とは逆説的に、台湾や韓国の洗脳されて日本軍として戦争へと追いやられた外国人の遺族の心が蔑ろにされている点が強烈だ。高砂義勇兵の魂を取り戻すべく靖国へ7度も訪れているという台湾の高金素梅(きれいな女性)の主張は理路整然としているのに、取りあわない神社側。また、僧侶である遺族の菅原さんのインタビューも辛辣だった。

 戦争の犠牲になった戦没者、英霊に感謝すること自体は自然なことだし、非難される理由はない。だけど、靖国には様々な問題点があることを忘れてはならない。政治家の詭弁に踊らされることなく、冷静に判断する材料をこの映画は与えてくれるのだ。また、刀匠の刈谷さんの仕事風景やインタビューを主軸にした構成によって作られていることも、日本人の魂に訴えてくるのです。一部の政治家が煽った、プロパガンダだとか助成金云々なんて議論することすらばかばかしい。

〈公開時 映画館にて、レビューは当時のまま〉
右翼が妨害しにやってくるかとドキドキしながら観ました。

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kossy

1.5観るの遅すぎ

2019年9月8日
PCから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

ドキュメンタリーです。やはり苦手です。
何で苦手かというと、ドキュメンタリーが嫌いなのではなく、
長尺で流されることがそもそもテンション保ちづらい。
正直な感想としては、
「NHKスペシャル」の方がなんぼか面白いわ、
という感じ。2時間も耐えた自分を褒めたい。(寝たけど)
靖国に参拝に来る風景と、
刀鍛冶の人の心を結びつけようとしてグダグダ。丸投げ。
参拝風景だけにして、それに対する制作側の意見をぶつけた方が、
よっぽどマシなモノになるだろうが、
それだと映画にする意味もないがね。
これもそんなに意味無いがね。

要はいろんな意見があって良いと思うが、
この作者の意見が分かりづらいところが問題。

自分の観たタイミングも遅すぎるので、
「上映禁止」とかなってた時だったらもっとホットな作品で、
今観てもただの駄作でしかない。
とにかく、刀鍛冶の人のインタビューは要らない。

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クリストフ

2.0未だにしこりが残るのは何故か?

2018年9月19日
Androidアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

悲しい

公開時にスクリーンを破ったりする人が現れたり、センセーショナルな印象があるが内容はそれほどではない。
右翼がわざわざ公開する劇場に抗議文を持ってきたり、政治的な何かを感じてしまう。
作品は刀鍛冶の話にピントを充てている印象。
客観的に見た視点で靖国神社に対して奇妙さを感じさせるシーンがあるので、それに対して「違う」と言う人は見ない方が良いでしょう。
ただ神社での儀式の撮影が出来ないとか、関係ない人に見せる儀式などないから仕方ないとは思う。
では靖国神社とは何か?
「靖国で会おう」と言い合ったとされる戦死者を祀る事で怒る遺族も居れば、それが英霊の希望と言う人もいる。
亡くなった人たちが本当に何を考えていたのかは分からないので、どちらにも言い分があると思うが、あの時代に大勢の人が命を掛ける事態が起きた…揉めて当たり前と思う。
戦争に行った人たち、送り出した人たち、戦争に行かせた人たち、戦争に反対した人たち…この人たちの言い分はかみ合う筈がない。
作品の中でも揉める姿は印象に残るから、その原因を考えるのが先ではないかと思う。

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うにたん♪(DCPにも抜け穴あるんだ)