「素直になれなくて誰かを傷つけてしまう」かいじゅうたちのいるところ nocaさんの映画レビュー(感想・評価)
素直になれなくて誰かを傷つけてしまう
モーリスセンダックのかいじゅうたちのいるところ、の映画化
ということで、原作が小さい頃から大好きだった私はかなりの、期待で見ました
子供の頃感じたあの気持ちが蘇るような映し方がぐっときました。
雪をなめちゃうところ、かまくらで仰向けで寝た時の冷たい空気。全部が蘇りました
いたずら好きのマックスはいつもひとりぼっち
お姉ちゃんは友達とばっかり遊ぶし
ママだって仕事が忙しくて構ってくれない
ただみんなと一緒にいたいだけなのに大切なものが一つずつ無くなってってしまう気もち。歯が一本一本抜けるように
だからいたずらをして皆に構ってもらおうとする。素直に言えないから誰かを傷つけてしまう。
そんなマックスがママと喧嘩をして、逃げ出した先にはかいじゅうたちのいるところでした。
こちら、ストーリー重視にすると中々無理矢理感があるかな、と思いますが
マックスの精神からつくられた架空の島
そこでかいじゅうたちの王になり皆と楽しく過ごします
孤立することが嫌いなキャロルはマックスそのもの。そのほかのかいじゅうもマックスの心の中にいるかいじゅうたち。
だけどみんなホントの気持ちは「重なって寝るの大好き、ずっとこうしてたい」
でもたまに「素直になれなくて誰かを傷つけてしまう」キャロルが言った言葉そのままマックスの気持ちを表しています。
映像もどこか寂しくて乾いていて
マックスの心理状態がよくわかりますね。
孤独で愛に飢えている
音楽も繊細な音楽が心地よかったですね。
モーリスセンダックもこの映画は素晴らしい、と。
モーリスセンダックがいうのだから素晴らしいに決まってますよね。
マックスが次第に自分を見つめ直していく様子も良く分かりますね
最後のエンディング曲でも言ってますよね
愛こそ全て
誰の心の中にもかいじゅうがいて
それが大人になっても暴れるもんだから、困りますよね。
たまに戻って、向き合ってみる。
あなたのキャロルがきっと待ってる。
素直に、向き合ってみよう。
そんな気持になる素敵な映画でした。