劇場公開日 2010年1月15日

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「お子様もご覧になれるほんわかムービーかと思いきやそこはやっぱりスパ...」かいじゅうたちのいるところ yosさんの映画レビュー(感想・評価)

3.0お子様もご覧になれるほんわかムービーかと思いきやそこはやっぱりスパ...

2016年7月12日
PCから投稿
鑑賞方法:DVD/BD、映画館

お子様もご覧になれるほんわかムービーかと思いきやそこはやっぱりスパイク・ジョーンズ、シュールだけどセンスのよい世界観の中で複雑に揺れる少年の繊細な心を巧みに見せていく、大人向けの上質なファンタジーです。
"かいじゅう"たちが住む島は決して美しい処ではなく、枯れ葉の舞う森林に何もない広大な砂漠など、淋しさを抱える孤独な少年の内面を反映している。そこに住んでる七匹の"かいじゅう"たちもユニークで、鋭い牙や爪がいかにも凶暴そうだけれど、毛むくじゃらで短足姿が何とも愛らしくて憎めないキャラばかり。CGで何でも創れる時代に着ぐるみの演技は温かみを感じます。
マックスを「王様」と勘違いする彼らも実は繊細な心の持ち主で、群れ(?)の中での交友に様々な問題を抱えている。つまりは、八歳の悩める少年マックスが、単純だけど複雑な彼らの問題を目の当たりにし、"小さいけれども大きな何か"を互いに見つけだす、というようないたってシンプルなお話。それをシンプルに見せないところがスパイク・ジョーンズの巧さで面白い。
カレン・オーとかいう姉ちゃんが手掛けるアコースティックな劇中歌の数々も、そのシーンそれぞれに恐ろしくマッチして作品を大きく盛り上げています。

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yos