「「完」」トイ・ストーリー3 桜さんの映画レビュー(感想・評価)
「完」
全てが素晴らしかった。
初めてトイ・ストーリーを見た方も、シリーズを通してファンになった方も満足出来るようなストーリー、キャラクター構成になっていて、笑いあり感動あり、個人的には最高の仕上がりになっていると思っている。
冒頭から惹き付けられるアクションに、どういう事?と思いながら、ファンであれば徐々にわかってくる「トイ・ストーリー1」のアンディの遊びの中のストーリーに似ている事がわかってくる。
始まり方も1に似ていて、「You've Got a Friend in Me」が流れ、からの急に悲しい展開。
え、、、となりながら、この物語が終わりに近づいている事がわかってくる。
アンディに「触られた」だけで喜ぶ皆の姿に心が締め付けられる。
もうそういう年だよね、アンディも。
丁度トイ・ストーリーにハマったのも私が幼い時だったし、自分に当て嵌めてしまうような展開にもう泣きそう。
どんどん仲間達もいなくなってしまっていて、ボーピープ、グリーンアーミーメンもいなくなり、遂にはバービーも。
皆が不安になるのも分かるし、ウッディが皆を励ましながら自分が一番不安なんだよね。
からのアンディが大学へ行くに先駆けて、大学か屋根裏部屋かゴミ行きかでママと話し合っているのが聞こえ、更に不安に。
そこで最悪の展開。
本当は屋根裏に連れてく筈が、ゴミ袋に入れるんだもの。アンディのバカ!
ゴミ収集車のドライバーは、Tシャツの柄から察するに1のヴィラン?のシドだろう。
皆不安が確信に変わり、「アンディに捨てられた!」と勘違いしてしまう。
唯一真実を知るウッディだけは何とか説得を試みるが、皆「お前はいいよな、大学行きだもん」と反発。
結局サニーサイド保育園へのダンボールに逃げ、難を逃れた。
ウッディは「帰ろうよ!!」って言うけどみんな聞く耳を持たない。
ここでウッディと皆はお別れする事になる。
ブルズアイだけウッディを引き止める姿に、泣きました。
これで終わりではないとはわかっていたものの、辛い展開に涙が溢れた。
ウッディはたまたま保育園から脱走、いや脱獄を果たし、ボニーに拾われて子供に遊んでもらう幸せを久々に感じる。
ボニーのおもちゃも皆個性的で面白いんだよなぁ。
バズらは保育園いいとこじゃーんってなるのも束の間、対象年齢以下のちびっ子達に散々に遊ばれ、ボロボロ。
ロッツォに助けを求めるも、ここは彼の支配の下、逆らえない環境である事がわかる。信頼出来るバズも操られてしまって手詰まり状態。
一方ウッディはサニーサイドの実情を知り、放っておけないと単身あの地獄へと帰る。
流石ウッディ。ほんとにかっこいいよね。
ここからの脱獄展開もハラハラドキドキの連続で面白くて、おもちゃそれぞれの得意分野を生かして協力していく様は、まさに終わりに相応しい。
バズのスペイン語モードもめちゃくちゃ面白い。
公開当時はスペイン語の翻訳、字幕が出てなくて、何となくで解釈してたけど、今はちゃんと字幕が出てわかるとまた面白い。
監視カメラのサルとビッグベイビーが怖すぎるんよ、、、
あれは大分恐怖ものだし、子供泣くぞ。
なんとか逃げれるけど包囲され、ロッツォの恐怖のお時間。
彼の闇は凄まじい。彼はデイジーに置いていかれ、自分の代わりが居ることを知ったあの時点から、もう壊れていたんだと思う。
ちなみに、ロッツォ達3人がデイジーのお家へ帰る為に乗っていた車は、一瞬だけ見えるけど1,2でもお馴染みの「ピザプラネット」の車ですよ。
ゴミ処理場も終始ハラハラドキドキしていたし、そこでロッツォすらも助けに戻るウッディのカッコ良さには目を見張るものがある。
ほんとにカッコよすぎる。
ジェシーを守るバズのイケメンっぷりもやばい。
そして、もう全トイ・ストーリーファンの怒りを買ったロッツォのクズっぷり。
はぁぁあ!?と劇場で声を上げたくなるレベルだった。
そして処理されたゴミの行き着く先は1つ。焼却炉である。
ここも泣いたなぁ。皆何とか逃げようとする中、覚悟を決めるバズの表情。
本気で怖かったし、ボロボロ泣いてた。
公開当時の私にはここから生還する方法を全く思い付かず、本当に終わりだと思った。
死ぬ時も一緒だと言わんばかりにみんなで手を繋ぎ、目を瞑る。
そこで1のリトルグリーンメンのクレーンネタを引っ張り出してくるとは。本当に展開作りが上手い。
個人的にリトルグリーンメンが好きなので、クレーン車に持ってかれた時に「ええええええちょっと!!」と思っていて、ずっと引っかかっていたが、生きていたのも嬉しいし、皆を助けてくれたのも感謝永遠にである。
何とか助かり、ファンの思いと同様に「ロッツォに仕返ししよーぜ」となるが、ウッディが一言「仕返しする価値もない」。どこまであんたはかっこいいのよ。
何とかアンディの引越しまでに家に戻り、屋根裏部屋のダンボールに入る際に、皆との2度目の別れとなる。
ウッディに1人ずつ別れの言葉を言うのも一つ一つ泣けるし、バズとの「さよならじゃないぞ」「またな、カウボーイ」も、ボロ泣きである。
だがそこでウッディは、大学行きのダンボールからアンディのお母さんが「ずっと一緒にいられればいいのに」と泣いてアンディにハグするのを見る。
お母さん、我々も同じ思いですよ。。。
そしてウッディはある決断をする。
屋根裏部屋のダンボールに、捨ててしまった筈のおもちゃがあって、アンディは喜ぶと共に、あるメモ書きを見つける。恐らく住所が書いてあったのか。ウッディはここで、アンディと最初で最後のコミュニケーションを取ったような気がする。
何かを察したアンディは、屋根裏部屋ではなく、おもちゃ達をボニーにあげることにする。
ここまでの展開で、アンディはウッディ以外のおもちゃの事は何とも思ってないし、それどころかモリーの前ではゴミ扱いするもんだから、どうでもいいんだろうなって皆も我々も思っている。
だが、ボニーの家で一つ一つのおもちゃを楽しそうに、嬉しそうに、さながらかつての友のように紹介する彼に、ボロ泣きしてしまう。
そして、大学行きのダンボールに入れたはずのウッディがいる。
1度遊んでたので知ってるボニーが欲しがるのを、躊躇するアンディの悲しそうな表情が、心に刺さる。
本当に愛してるんだろうなぁ。
そして、アンディはウッディへの思いを語り出す。
親友、もはや家族のような関係性のウッディを手放す事にした理由として、個人的にはウッディの「おもちゃの仲間達と一緒にいたいんだ」という意志を汲み取ったように感じた。
ウッディを大事にしてくれるかな?と、ボニーに問いかけ、ついに手放す。
そして、アンディは皆と最後に遊ぶ。
嬉しかっただろうなぁ。触られただけで喜んでいた皆は、最後にもう一度大好きなアンディに遊んでもらえたのだ。
ここではおもちゃの表情や心の声は一切描写として無いが、本当に笑っているように見えるし、嬉しかっただろうなと視聴者に想像力を働かせてくる辺りが、本当に上手い。
車に戻り出発する直前、ボニーがウッディの手を動かし手を振る。あーもう、涙が止まらない。
アンディから一瞬笑顔が消えて、寂しさが込み上げているのがわかる。
車からウッディに「ありがとう」と呟く。
恐らくちゃんとウッディや皆に届いているはずだ。
車が出発し、その姿を見つめながらウッディは「あばよ、相棒」と返す。
ウッディは大人になった彼からの卒業を決め、シリーズを通して培ってきた仲間達との友情を取ったのだ。
そして、カメラが上へ上へ行き、1のファーストカットと全く同じ青空で、幕を閉じる。
最高か?
これ以上の終わり方は無いと思う。
あまりに美し過ぎて、何度見ても涙が止まらない。
だからこそ、このシリーズはここで終わっておくべきだったし、余計な肉付けは不要だった。
してもスピンオフのトイ・ストーリーオブテラー等くらいでいいし、おもちゃ達はずっと一緒で、また新たなボニーという持ち主に遊んでもらっていくんだね、ちゃんちゃん。でよかった。
その後を描くこと自体ナンセンス極まりない。
結局ディズニー、ピクサーのお金儲けとポリコレぶち込みたい欲に偉大な作品が利用されてしまい、あのような体たらくになってしまったわけである。
その辺の詳しい話はトイ・ストーリー4のレビューでしているので是非。
とにかく、シリーズの集大成として相応しい最高の作品であり、歴史に残る仕上がりになったという事が伝えたかった。
ありがとう。幸せです。
そうですね、ボニーを悪い子に見えるように描いてしまったのも、シナリオミスだと私は感じます。
確かに、その展開いいですね!
期待しましょう。
恐らく公式発表では無かったような気がしていますが、ファンはTシャツの柄からそうではないかと盛り上がっていました。
是非是非!
まあ 4を見るとボニーにウッディを上げなきゃ良かったじゃない!って思いますよね。みんなで屋根裏で良かったのに。って。
でも信じてますよ5でアンディの子どもが彼らに出会う事を。
あと、え??!シド?
マジですか?全然気づかなかったです。
見直します!