「日本人も雷はコワイ。」モンゴル ハチコさんの映画レビュー(感想・評価)
日本人も雷はコワイ。
アカデミー賞外国語映画部門にノミネートされたことで
かなり話題を呼んだ作品。浅野忠信の名が一気に世界へ!?
後のチンギス・ハーン、モンゴル帝国を築くテムジンの物語。
角川映画「蒼き狼 地果て海尽きるまで」と内容はほぼ同じ
でしたが、肌触りがまったく違いますね。当り前か^^;
そして、かなり好き好きが分かれそうですよ~。少なくとも、
私には諸手を挙げて大絶賛!…という作品ではないかなぁ。
というのも、日本人には理解し辛い(それだけモンゴル的な)
思想のもとに描かれているので、例えばハーンの歴史を
知らない人などが観たら、う~ん?分かり辛いかもしれない。
角川映画の方は(社長が生まれ変わりだと言ってる位だから)
かなり英雄的に描かれています。ヒーロー漫画みたい^^;
でも本当のテムジンは、優しいけどけっこう自分勝手ですよ。
そういう(つまり、朝青龍を例にとると分かりやすいか^^;)
理解し難い裏切りとかを平気でするのがモンゴル民族です。
他人の妻を平気で盗るし、ボスが死ねばすぐに寝返る。
世話になった親友(血の兄弟)の部下をも平気で連れ帰ります。
そして何かといえば「雷神の元、我々は平等。」と主張。
忠誠心はあれど、恩義を独自の解釈で返すため
義理固い日本人には、そのあたりが理不尽に思えてしまう。。
浅野忠信の、やや退き気味な演技は良かったです。
一見おとなしそうに見えて、かなりしたたかに狙いを定める。
頭がいいので、的を外さない。そして幽玄なカリスマ性。
世界を制覇する人間の洞察力は、やっぱり違いますね~!
個人的にジャムカを演じたS・ホンレイがかなり良かった。
怖いんだか優しいんだか分からない顔をしてますが^^;
浅野とは対照的な押しの演技。ジャムカはいい男でした。
もし彼がいなければ、テムジンはチンギス・ハーンには
なれなかったと思いますもん。いい盟友でしたよ、彼は。。
(でも一番したたかで賢いのは、妻ボルテだったりする^^;)