マイ・ライフ、マイ・ファミリーのレビュー・感想・評価
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ある意味幸せ
アリゾナって言われても行ったことないし。
最初に出てくる街並みは手入れが行き届いた豪邸で、清潔でお金持ちしかいなさそう。
それに比べて、子供達(って言っても大人だけど)の家は雑然としていてじめっとしたアパート。
ある日の留守電から、事態は大きく動く…はずだったが、すぐに留守電聞きなさいよって感じだね。
最初は深刻に受け止めていなかった2人。
ちょっとお見舞いして、施設に預ければ今まで通り、と思っていたはず。
誰にでも起こりうることなんだけど、なぜかみんな他人事のように先延ばしにしている。自分も含め。
終活という言葉が普通になった今、ようやく、なのかな。
延命治療とかお葬式のこと、聞かれる前に決めておかないとって思ってしまった。現実的過ぎだけど。
ある意味幸せと思ったのは、お父さんがそれほど長く子供達の手を煩わせず逝ったことかな。
親子関係はよくわからなかったが、それほどいい父親というわけでもなかった?
首を痛めて首を吊るシーンがなんか好きだった。
しょっちゅう言い合いするけど、結局助け合う。
施設について兄と妹のバトルがあったけど、お金さえ出せば良さげな施設には入れるというのは日本も同じ。
兄は冷静に見てたけど、ホントそれ、と思った。
高級施設で罪滅ぼし、介護ビジネスの餌食、緑豊かな環境は入居者のためではなく現実から目を背けたい家族のため、美しい建物の中はホラー、死はクソと小便と腐臭にまみれてる、などなど。
言い過ぎてるところもあるかもしれないが、的外れではない。
しかし、子供達の口論を聞きながら遠くを見つめる父親の表情がなんとも切ない。
これが劇場未公開なんて信じられない!絶対必見のDVDだ!
アリゾナの暑い砂漠から一転、バッファローの極寒の雪降る街へと舞台は変わる。
人生色々!楽有り苦有り!それを乗り越えるのも家族がいればなんのその!
始まりは、灼熱に町アリゾナの中産階級の建売リ住宅の町並みから、一転して、子供たちが住む東部へ移住する事を余議無くされた年老いた父とその子供たちの物語。
親の老後、特に認知症が進行状態となり、もはや老人だけでの独居が不可能となった時、家族はどう年老いた親と向き合っていくのか?と言う、我々日本でもこれからは4人に1人が高齢者と言われるその時代を生きて行かなければならない現実の中で、個人生活主義が生活の基盤のアメリカから、この問題の先行きのヒントにでもなりそうな映画が観れる事は結構ラッキーな事ではないだろうか?
アメリカでも今、この事が日本同様に深刻化しているのだろうか?
しかし、そこはアメリカ。本来なら家族の看護と見取りと言う重~いテーマも、フィリップ・ホフマンとローラ・リニーが息子と娘を演じると何故か、どこか滑稽で笑えてしまうのだ!
日本では、若年性認知症の患者とその家族の葛藤を描いた渡辺謙と樋口可南子主演の『明日の記憶』と言う映画は未だ記憶に新しい作品だろうけれど、こちらも素晴らしい!
個人的な事であるが、私は介護の仕事に携わっている為に家族のこうした問題にちょくちょく遭遇するので、馴れつ子でいるけれど、実際の当事者家族には超深刻なのだ!
本当に笑ってなどいられないし、看病する家族の方が先に疲れて、それこそ鬱病にならないとも限らないのだ。決して覚悟を決めて備えれば良いと考えていても、実際に齢老いて見当識障害を患い、日々能力が低下する親を目の当たりにする事は、加齢に寄る人間の自然現象で、或る程度はしょうがないと受け入れなければならない事だが、これが家族故に今迄の家族の一人一人の思い出等の家族歴が絡み一筋縄では対処出来ない事が普通だ。
その辺をこの映画を観て、明日の自分達の生活の為に備えるのも案外名案であるかもしれない。
認知症の初期段階では、いつ、どこ、誰がと言う事が解り難くなって行く。今日の月日や
住んでいる今の場所や、人間関係が、誰かハッキリしなくなって来たらイエローサインだ。
考えて見てもほしい。夜中に急に親がトイレで、弄便(自分の排泄した便を触ったり、便を壁に擦り付けるなどの行為を言う)をしたら、もうこれは赤信号・要看護の段階だ。
この映画でも、長谷川式の認知症の判定法が使われているが、初期の段階で気が付けば進行を緩やかにする事も出来る。ビタミンB・C・Eそしてベータカロティン、ミネラルを豊富に摂取し、つまり野菜と魚中心の日本の古来の食事が良いのだが、これらの食事に留意し、適度な運動をして、映画を観てストレスを無くして、明るい生活を心がけるのが良いのだろう!
話しは横道に逸れたが、是非この映画を観て元気な生活をして欲しいのだ!
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