ラスト・ブラッド : インタビュー
ビル・コン×石川光久 プロデューサー インタビュー
――海外でも常に注目の高いI.G作品で初の実写化となりましたが、「BLOOD THE LAST VAMPIRE」が生まれた時、ここまでの展開を考えていたのでしょうか?
石川:「まず、I.Gがここまで続いているということ自体、思ってもいなかったので(笑)。その面では会社の成長も、この映画が実写になったことも驚きですね」
――「BLOOD THE LAST VAMPIRE」は劇場アニメから小説やゲームにもなり、テレビシリーズにもなり、そして今回、実写映画にもなりました。ビジネスとしては成功したコンテンツと言っていいのでしょうか?
石川:「こうして実写版が世に出たということは、これからにとって大きいことだと思います。原作アニメが生まれてから約10年かけて、日本だけではなく、海外に対してドアが開いたなという感じです。ここからがスタートなんじゃないかと思っているくらいです」
――ビル・コンさんは「昴」に続いて日本のコンテンツの実写化になりましたが、そうしたものを続けてみて感じることはありますか? ハリウッドでも日本アニメの実写化などありますが、成功しているものは少なく、なかなか難しいのではないかと思うのですが。
コン:「今回の2作に限らず、日本のアニメや他のコンテンツをベースにした作品を、今後も作っていこうと考えていますし、企画も進んでます。私は常々、日本の漫画やアニメの文化は世界最強だと考えています。おっしゃる通り、アメリカでもそうした映画が作られていますが、まだまだ序の口に過ぎないと思います。(日本のアニメや漫画は)アイデアの宝庫ですからね。今以上に、こうした作品が増えていくだろうということは、自信を持って言えます。これからは、もっとヒットするような作品がどんどん作られていくと思いますし、私もそうした作品にいろいろ携わっていきたいと思っています」
――I.G作品で他に実写にしたいと思うものはありますか?
コン:「実はすでにお話は進めています。I.Gさんがどれだけのポテンシャルを持った会社かということは、『キル・ビル Vol.1』をきっかけに世界中の人々がよくわかったと思います。ですから、私だけでなく、世界中のプロデューサーが、どんどんI.Gさんと組んでやりたいと思っているでしょう。『ラスト・ブラッド』の続編製作も考えていますが、今回の映画の製作費を集められたのも、原作アニメあってこそ。そうした意味でも、I.Gさんとは綿密なコラボレーションをしていきたいですね」
――なるほど。I.Gにとって、「キル・ビル」はやはり大きな存在だったのでしょうか?
石川:「タランティーノが、いかに規格外な人間だったかということですね(笑)。彼のような人物と付き合ったことは、楽しかったし勉強になりましたし、自信にもなりました。(海外とのコラボーレションの)入口としては良かったと思ってます」
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「BLOOD THE LAST VAMPIRE」
2009年5月27日 Blu-ray発売
2000年日本映画/カラー/片面2層/MPEG4 AVC/1920×1080P 16:9
本編48分×2 + 特典映像(SD) 約37分/ANSX-5025/5040円(税込)
監督:北久保弘之
原作:プロダクションI.G
脚本:神山健治
企画協力:押井守