ラスト・ブラッド : インタビュー
「猟奇的な彼女」「僕の彼女を紹介します」で知られる韓国の人気女優チョン・ジヒョンが、満を持しての海外進出。初の英語劇であることに加え、モデル出身ならではの、その長身と抜群のスタイルを生かした華麗なアクションもスクリーンに映える主演作「ラスト・ブラッド」について語ってくれた。(取材・文:編集部)
チョン・ジヒョン インタビュー
「回し蹴りが最もうまい女優になったんじゃないかしら(笑)」
――初のアクション映画ですが、もともとアクションに興味があったのでしょうか? どのような基準で出演作を決めているのですか?
「私に限ったことではなく、俳優というのは、いかに良いシナリオ、キャラクターに出会えるかに興味を持ち、作品を探していると思います。『ラスト・ブラッド』に関しては、これほど本格的で専門的なアクションをやるとは思っていなかったんです(笑)。もともと原作アニメを見ていて、その時からサヤのキャラクターや映画の雰囲気に魅力を感じていました。いつかこういう役をやりたいなと思っていたら今回のオファーがあり、いただいたシナリオもとても気に入ったのでやることにしました」
――今回の映画に出て得たものは?
「数ある女優の中でも、回し蹴りが最もうまくできるようになったことかしら(笑)。今回の映画では刀さばきと同時に空中で回し蹴りしたり、脚を使うアクションが多かったんです。セーラー服を着ているので、回し蹴りをするとスカートが広がって、ビジュアル的に素敵に撮れるので。実際にやるのは本当に難しかったですけど」
――サヤは何百年間も孤独に生きてきた少女で、張り詰めた印象がありました。そうした役はアクション以外でも精神的に大変なのでしょうか?
「今回はアクションを通しても感情表現をしたいと思っていましたが、そうしたことは肉体的にもさることながら、精神的にも本当に大変なことでした。でも、彼女の周りのいろいろな状況が、それを助けてくれたと思います。例えば、制服というものは、彼女の感情を隠してくれる装置、仕掛けでもあったと思います。そうした中でも、殺したオニに対して哀れみの情を感じているサヤを演じる時は、うまく彼女の内面をにじませることができたのではないかと思います。また、最初はサヤにとって大事なのは復讐心だけで、その他の感情は不必要なのかなと思っていましたが、彼女は出会った人々を通して忘れていた感情を取り戻していく。そうした過程を表現するのも、自分にとって新しい印象を与えてくれるものであり、とても惹かれた部分でした」
――その他にサヤに魅力を感じたところは?
「一番はやはり、表に出さない隠されたところにある心の痛みを抱えているところですね。あとは、彼女は一見すると10代の学生なのに、裏では刀を持って力を振るうというのが日常になっていて、そんな正反対の極端な姿を表現できるということが面白そうだと思いました」
――小雪さんとの共演はいかがでしたか?
「とても美しい女優さんですし、本当にたくさんのことを学ぶことができました。性格も率直な方で、私に対して良い印象をもっていてくださって、今はとても良いお友だちになれました。現場でもとても気楽に楽しくできました」