「映画館で観たら、自分は一体どうなっていただろう」シークレット・サンシャイン septakaさんの映画レビュー(感想・評価)
映画館で観たら、自分は一体どうなっていただろう
ずっと映画館で
上映されていたときから気になっていました。
ただ自分でも
その辺りの深層心理がわからないのですが、
映画館に足を運ぶのを躊躇っている自分がいました。
ストーリーも知らず、
ここでの評価も高かったのに。
ひとつだけハッキリ記憶に残っているのは
リーフレットに映し出された主人公の女優さんの
表情に近寄りがたい、いや近づいてはいけないオーラを感じたこと。
満を持して、というわけではありませんが、
覚悟を決め、DVDを手にとったのでした。
☆彡 ☆彡
重いですね
さすがカンヌ国際映画祭女優賞を獲っただけありますね
あのソン・ガンホが霞んでみえましたから
映画館で観るべきだった
映画館で観なくてよかった
両方の思いが交差しています。
映画館で観ていれば
もっと自信を持って星5個をつけます。
でも、映画館で観ていれば、
すぐに席を立つだけの力を
両脚に行き届かせた自信がありません。
家で観ただけなのに
気がおかしくなりそうですから
映画館で観ていたとしたら、一体どうなっていたことか。
わけもわからず、前の席をバンバン叩いたり、
なんの関係もない、赤の他人を睨みつけたり、
おそらくまわりに迷惑をかけてしまったような気がします。
『チェイサー』鑑賞直後のお手洗いで
まったく見ず知らずの男性を睨みつけ怯えさせてしまったように。
作中のシチュエーションではありませんが、
これほどまでに映画館から自分に今作を遠ざけたのは
なんらかのメッセージが込められていたのだと思います。
◇ ◇
なにをキッカケに
イ・チャンドン監督は今作を着想したのでしょうか。
作品タイトル
音楽の使いかた
ストーリー展開
オープニングとエンディング
こんな月並みな言葉で
大変申し訳ないのですが、
パーフェクト、完璧でした。
音に関していうと
ある出来事が起きているとき。
音楽流していないんですよ。
音楽流して観客の気持ちを動かすような場面なのに。
セリフだけで行ききっちゃうんですよ。その場面で
「この映画、エライ作品だぞ。やばいぞ、これは」とアラームが鳴りました。
もう、そこから先は・・・。
もう、ことばになりません。
☆彡 ☆彡
“嘘”
“赦し”
“偽善”
“青い鳥は心の中にいる”
主人公の彼女は
最後に気づいたのでしょうか。
あなたははやくからゆるされていたことに