「赦すということ」シークレット・サンシャイン 猫柴さんの映画レビュー(感想・評価)
赦すということ
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罪を赦す事で人は神に一歩近づき
神と一体化できると信じたシネは
自分の息子を誘拐し殺した相手を赦すと伝えに留置所まで行くが、犯人はすでに留置所で宗教に目覚め、
神に赦され穏やかに生活していた。
自分の子供を殺した相手を勝手に赦した神に裏切られた思いのシネは
自分も罪を犯し、それでも赦すのかと神に問いかける。
重いテーマで救いはないのだけれどシネに下心ありで近づいたキムさんがいつもヌケた笑いで緊張感を解き
また、冷たくされても常に静かに寄り添う姿に恋愛感情を超えた愛を感じ、ラストのシーンでは風に飛ばされる髪と道端の日差し、草の影にも優しい神の眼差しを感じさせた。
スコセッシの『沈黙』にも似た
神はいくら問いかけても何も答えてくれないが
沈黙のなかに答えがある、というメッセージを感じた。
シネの演技に全てがかけられた作品であり
それに見事に答え演じきった女優に感服。
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