劇場公開日 2008年5月31日

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「綾瀬はるかの魅力を堪能しよう」僕の彼女はサイボーグ 永賀だいす樹さんの映画レビュー(感想・評価)

3.0綾瀬はるかの魅力を堪能しよう

2013年4月17日
PCから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

笑える

萌える

サイボーグの女性で真っ先に思い浮かぶのは、漫画『サイボーグ009』に登場する003ことフランソワーズ・アルヌールだけど、本作のサイボーグはなんと映画『ターミネーター』を下敷きにしているようだ。
開発コードを言う場面があるのだけど、「サイバーダイン103」とか言っちゃってるし。ほかにもオマージュされている要素がちらほらと。
特に意味もなさそうだから、たぶんに監督の趣味なのだろうなぁ。

なんか知らんけど未来からやってきた美女が、ヘタレな僕に関心あるみたい。
間をすっ飛ばして同棲してみたら、実はサイボークでした。
「何言ってんの、バカなの?」という設定も、最初からその気で見ている観客には問題なし。
作品タイトルとポスターの字体からして、分かってみている人が大半だからスルーできるレベル。

ヘタレ君の身勝手ぶりとサイボーグ彼女の尽くしっぷりが話の筋で、それ以上はオマケ程度に考えても問題なさそう。
というか、綾瀬はるかがカワイイのと、彼女の映画にかける真摯な姿勢が見れたら、それ以上は求めません。
彼女は役者なのだけど、映画作りの構成からいってアイドル映画に近い。彼女の笑顔とすらーっとしたスタイルが拝めたら、仮に演技がヘタだったとしても文句は出ない。

ところが綾瀬はるかは演技もやれちゃうから、おもしろいことにヘタレ君が本当にヘタレに見えてしまう。
郭在容監督もここまで計算したわけじゃないだろうし、ヘタレ君を演じる小出恵介も意図してないとは思うけど、ごめんなさい。綾瀬はるかはその上をいってしまったよ。

で、ご都合主義なのは「彼女がサイボーグだから」で完結できるとして、ラストはちょっと意味不明。
そこは別にあわせなくてもいいだろ的な謎解きがあって、ここは怒りに着火しそうになった。サイボーグだから納得できた部分が、そこはそうなりますか的なアレである。
けれど、これまでが十分に都合よすぎて、もはや抵抗する気力が観客に残されていないのであった。

では評価。

キャスティング:6(綾瀬はるかを引き立てるために配置された役者陣)
ストーリー:4(タイトルだけで筋立てが想像でき、それがだいたい合ってる)
映像・演出:9(特殊効果の大半が『ターミネーター』オマージュだが、綾瀬はるかのカワイイ表情をたっぷり使ってくれたから許す)
ヒーロー:1(主役のヘタレっぷりがどこまでも徹底される)
ヒロイン:8(尽くす彼女っぷりがどこまでも徹底される。ただラストのくだりは納得しがたい)

というわけで総合評価は50点満点中28点。

ヘタレな僕でも彼女ができるんだと妄想にふけりたい人にオススメ。
綾瀬はるかを画面いっぱいに堪能したい人にもオススメ。

永賀だいす樹