「僕のフリをする誰かに起きているみたいだ」コントロール shimoさんの映画レビュー(感想・評価)
僕のフリをする誰かに起きているみたいだ
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映画「コントロール」(アントン・コービン監督)から。
「絶望的な歌詞や独創的な曲調で、内面に孤独と苦悩を抱えながら、
わずか23歳の若さで自ら命を絶った伝説のロック・ミュージシャン、
イアン・カーティスの短くも波乱に満ちた人生を描く音楽伝記ドラマ」
この作品の説明で、私はロックシンガー「尾崎豊」さんとダブった。
観終わって、そのイメージはちょっとズレていてホッとしたけれど、
物語中、主人公のイアンが呟くシーンがある。
「すべての出来事が、僕ではなくて」と前置きをして
「僕のフリをする誰かに起きているみたいだ」と。
自分で自分がコントロールできなくなる状態は、誰にだってある。
その気持ちをうまく表現しているな、と感じ、このフレーズをメモした。
傍にいた女性は「あなたといると混乱するの」と戸惑いをみせる。
言い換えれば、自分だけでなく、まわりの人にも影響を与えた。
全編を通して、モノクロ(白黒)映像というのも、
前出の「尾崎豊」さんと、醸し出す雰囲気が似ている理由だろう。
タイトルは「Control」だけど、主人公は「lost contorol」
この違いを、私はどう解釈すればいいのだろうか。
ちょっとした生き方の哲学にもなりうる「自己制御」は、
これからのキーワードになる予感さえする。
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