コントロール インタビュー: 初監督に挑んだアントン・コービン&主演サム・ライリーに聞く

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劇場公開日 2008年3月15日
2008年3月13日更新

U2、デビッド・ボウイ、ビョークなど名だたるアーティストの写真やミュージックビデオを手がけてきたアントン・コービンの初監督作「コントロール」。伝説のロックバンド、ジョイ・ディヴィジョンのボーカル、イアン・カーティスの激しくも哀しい人生を綴った本作について、来日したアントン・コービン監督に話を聞いた。(取材・文:編集部)

アントン・コービン監督 インタビュー
「自分の人生を変えたバンドの作品を作る必要性を感じていたんだ」

世界的写真家アントン・コービンにとってジョイ・ディヴィジョンとの出会いが人生の転機となったという 世界的写真家アントン・コービンにとってジョイ・ディヴィジョンとの出会いが人生の転機となったという

――映画監督デビュー作に、このジョイ・ディヴィジョンというロックバンドを題材を選んだのは、やはり監督自身が約30年前にオランダからイギリスに渡るきっかけだったからなのでしょうか?

「ボートが流れてきて、こっちに来てくれって感じてロンドンに渡ったんだよ。そして、そのボートの名前が『Unknown Pleasures』(ジョイ・ディヴィジョンのファーストアルバム)だったんだ(笑)。やはり僕自身、ジョイ・ディヴィジョンの音楽に心を揺さぶられたし、僕をオランダからロンドンに引っ張ってくるだけの力のある音楽だったんだと思う。実際、イギリスに渡って、写真家として生活することになったわけだから、自分の人生を変えたバンドの作品を作る必要性を感じていたんだ」

「この映画が新しい人生の始まり」と語るアントン・コービン 「この映画が新しい人生の始まり」
と語るアントン・コービン

――初監督として、撮影監督との仕事はいかがでしたか? 写真家としてのあなたのビジョンと撮影監督のビジョンが衝突するようなことはありましたか?

「適切な撮影監督を選ぶのは僕にとっても、とても重要な仕事だったよ。今回撮影監督を頼んだマーティン・ルーエはコールドプレイやデペッシュ・モードのミュージックビデオで一緒に仕事をした友人で、素晴らしい美的感覚を持っている。だが、決して独りよがりな人間ではない。そして、僕がよく知らないようなことを教えてくれる存在で、ぶつかり合うようなことはまったくなかった。僕らはクランクインの4週間前から撮影の準備に入ったんだけど、お互いの意見を尊重して、2人で出したアイデアのいい方を採用したんだ。ちなみに今回はストーリーボードを一切作らなかったよ。彼は今ジュリー・デルピーの映画を撮影しているんじゃないかな。次の映画も彼とやりたいと思っているんだ。彼との共同作業はとてもポジティブな経験だったよ」

――初監督作ということで、役者の演出には気を遣いましたか?

「僕は写真を35年、そしてミュージックビデオも長年数多く撮ってきている。だから、映像や写真を通じて物語を語ることは僕にとって新しい経験ではないんだ。だけど、俳優を使って物語を語ることは初めての体験だった。それに、この映画はフィクションではなく、実話を基にしたストーリーだ。登場人物たちは皆が知っている人間なので、ある程度の説得力がなければならない。だから、配役にはとても気を遣ったよ。僕は少し心配だったんだけど、今ではとてもいい俳優たちに恵まれたと思っているよ。セットにいた俳優たち皆がこの映画を完成させたい、そしていい映画にしたいと思ってくたし、リハーサルでも僕がやろうとしていることに対してとても心を開いていてくれた。特に女性2人、アレクサンドラ・マリア・ララとサマンサ・モートンには助けられた。僕自身、この映画を作るにあたって、俳優たちにはかなり助けられたと思ってるよ。とてもいい人たちだった」

――写真家が撮る映画なので、絵はがきのような映画になるんじゃないかと危惧していたのですが、それは全く杞憂でした。アントンさん自身が影響を受けた映画監督は誰なんでしょう?

キャストたちの助けが励みになったとか キャストたちの助けが励みになったとか

「僕が影響を受けたヨーロッパ出身の2人のTはジャック・タチとアンドレイ・タルコフスキーなんだ。その他だと(ジャン=リュック・)ゴダールと(フェデリコ・)フェリーニかな。僕はストーリーに関してはあまり明るくないんだけど、画の持つ美学にはとても惹かれるんだ。だから、写真やビデオの仕事の時でも、彼らの映画はとても大きな影響があるんだよ。この『コントロール』でも、デボラがキスしたあとに風が吹くところと、嵐のシーンなんかは、かなりタルコフスキーの影響を受けているよ」

――やはりアントンさんというと、長年撮り続けてきたU2の映画を期待してしまうのですが、彼らの伝記映画を製作する気はありますか? もし、作るとしたらU2のメンバーの誰を中心に据えますか?

「ハハハ(笑)。もし作るとしたら、ラリー(ドラムス)だね。だって彼以外のボノ、エッジ、アダムは信用できないからね(笑)。でも、彼らの映画は作らないと思う。U2とはこの2月で26年の付き合いになるんだけど、お互いにちょっと親密過ぎる。僕としては、何か新しい経験をしたいし、自分自身に挑戦したい気持ちが大きい。自分がすでにやったことをやりたくないし、すでに通った道を再び歩きたいとは思わないんだ。だから、この『コントロール』という映画は、自分の新たな人生の始まりであり、今までの人生との決別でもあるんだ。だからといって、U2との関係を絶つわけではないよ。彼らのニューアルバムの写真を去年夏にモロッコで撮っているからね」

>>サム・ライリー インタビュー

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