「あさましい小悪党な物質主義者たち」プライスレス 素敵な恋の見つけ方 Cape Godさんの映画レビュー(感想・評価)
あさましい小悪党な物質主義者たち
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総合:55点
ストーリー: 45
キャスト: 75
演出: 70
ビジュアル: 75
音楽: 70
美しい保養地を舞台に繰り広げられる、物質主義な人たちの醜い騙し合い。恋愛喜劇なのだろうが、寄生虫のようにお金持ちに取り入る彼と彼女のあさましい言動には共感出来ないし白けるばかり。やっていることをまともに考えれば彼らは悪役である。どうせならばもっと笑いに徹してくれれば軽く受け流せるのだが、例えば騙され高額商品を買わされている金持ちの婦人が露骨な裏切りに直面して気分を害していたりすると、見ていてこちらもそのずるさに不愉快だったりする。3万ユーロもする時計を買わせておいて、それをすぐに売りはらって換金して他の女に貢ぐ、そんな場面を見て笑う気にはならないです。
上流社会の豪華な雰囲気や華麗な衣装や登場人物の演技などはむしろ平均以上にいいくらいなのだが、どうにも見ていて不道徳な印象が強くて。金に群がる人と、金で人を買う人。名作「アメリ」から数年たったオドレイ・トトゥが、本作でも同様に彼の運転するスクーターに乗って小粋に走り去っていく。でも純粋に人々の幸せのために行動していた前作と異なり、今回の彼女の本質はただのずるい物質主義者にすぎない。果たして金も無いままこの後いつまでその「金では買えない」気持ちを保ち続けることが出来ることやら。喜劇として割りきるには中途半端な設定と物語展開でした。せっかくの配役の良さまでが物質主義に汚されている気がします。
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