「悲喜劇の配分とテンポ。」次郎長三国志 ハチコさんの映画レビュー(感想・評価)
悲喜劇の配分とテンポ。
清水次郎長って、ダレよ…?という世代の人でも、
あの有名なテーマソングは聴いたことがあると思う。
私も原版はしっかりと観たことがなく(鶴田編くらい)
人情活劇とか、コメディ要素を持った時代劇、という
認識しかないんだけど、父母世代には忘れられない
(そう言いながら忘れていたようだけど)名画だそうだ。
生誕100年を迎えたマキノ雅彦のチャンバラシリーズを
甥のマキノ雅彦(津川雅彦)が監督第二弾として映画化。
前作「寝ずの番」がかなり面白かったので期待大だった。
何しろ見事な俳優陣を揃えているので(爆)
これで面白くなかったら?金返せ!モンなんだけど、
やはりそこそこ面白く出来上がっていた…。でも多分
もとの脚本がかなり良いからだと…そうも考えられる^^;
どうなのよ!?中井貴一って…の心配もあったけれど、
真面目で品行方正な次郎長、というのにはピッタリで、
まずまずの男っぷりだったと思う。鶴田には叶わないが^^;
黒駒の勝蔵役でチラリと(ホントに短かったな)顔を出す
佐藤浩市もさすがにカッコ良く、てっきりこの二人の
立ち回りが見られるんだと楽しみにしていた…んだけど
それはまだまだ先の話みたいだ(爆) ザンネン。。
しかしこのスケベ監督(スイマセン)は、女優の撮り方が
メチャメチャ上手くて、とにかく女性陣が色っぽい♪
高岡早紀なんか、サービスショット(いつもか)まである。
着物の似合う女優とそうでない女優の格差がハッキリと
出てしまうのも、時代劇の残酷な一面…?
ただいくらなんでも監督の娘・真由子は、あまりにも
ガラっぱちが過ぎて、演技が浮いてしまった感じだった。
もう少しキレイに撮ってあげても良かったんじゃないの?
中盤までのテンポが、お蝶の悲劇のシーンで長引いて、
後半の立ち回りがかなり都合よく終わってしまった感じ。
もう少し纏め方に工夫があった方が良かった気がする。
人情と喜劇の配分率は、難しいのだな…と感じた作品。
(一徳の大政、一輝の小政は良かった。力の三馬政に爆!)