「カムバック放映されている映画館は少ないが是非。」光州5・18 yukispicaさんの映画レビュー(感想・評価)
カムバック放映されている映画館は少ないが是非。
今年134本目(合計1,675本目/今月(2025年5月度)19本目)。
カムバック上映されていたので見に行ってきました。
この光州事件を扱う映画といえば「タクシー運転手」が有名であることは周知の事実で、他の方も書かれている通りですが、作成としてはこちらのほうがそれより数年早かった点は評価できるところです。また、事件の流れ的に、今はVODにいっているのだと思いますが「ソウルの春」や「南山の部長たち」などを見ていると理解が早いかな、という印象です(歴史的な説明は映画内で少ない)。
ただ、個人的には、韓国において、統治時代の終了から、民主化された1990年までのいくつかの事件においては全体的なつながりがあるという認識をしており、その意味において、ことさら強く取り上げる意味が少ない済州島蜂起事件や、麗水順天事件、朝鮮戦争ほかについての言及もあっても良かったのでは…といったところです(これらを知らずに部分的に韓国現代史の理解は難しい。もちろん、韓国では自国史にあたる韓国史ではこれらはちゃんと取り扱う)。
ややフィルム切れ?と思われるシーンがありましたが、作品の趣旨的に仕方がなく(18年前…)、光州事件といえばこれを扱う映画としては実質「タクシー運転手~」しかなかったわけで、カムバック上映とはいえこうした作品を見ることに意義は大きかったです。
採点上特に考慮する要素はないですが、最低限「ソウルの春」「南山の部長たち」、さらにいえば済州島蜂起事件(←「スープとイデオロギー」)、麗水順天事件(日本では取り扱いの作品なし。韓国では複数ある模様)等についてアンテナを張っているかいないかで理解度がまるで変わるので、そこを理解してからの視聴がおススメです。