「悪夢の中に自分を探す」悪夢探偵2 近大さんの映画レビュー(感想・評価)
悪夢の中に自分を探す
塚本晋也監督2008年の作品。
同監督初の続編作品となる。(『鉄男Ⅱ』は設定だけ似た全く別の話)
悪夢探偵こと影沼の元に、女子高生・雪絵が依頼してくる。同期生の菊川が毎夜出てくる悪夢に悩まされているという。
あ~イヤだイヤだイヤだ!…と、いつもながらのネガティブ思考で最初は断る。
何故なら、影沼自身も悪夢に悩まされていた。
幼少時自殺した母の悪夢…。
やがて双方に共通点がある事に気付き、影沼は依頼者の悪夢の中に入る…。
悪夢探偵、再び!
今回は前作からトーン変わり。
前作は猟奇的な事件捜査サイコ・スリラーだったが、今回はよりホラー色やよりドラマ色が濃く。
依頼してきた雪絵は一見恐怖に怯えるヒロインだが、実はそうではなく。
非常に怖がりの同期生をいじめていた側。
自業自得と言えば自業自得。
一緒になっていじめていた友達が不審死。
菊川はいじめを受けて自殺した訳ではないが、これは生き霊としての怨念か。
菊川と影沼の母の共通点とは、怖がり。
世の中全てに対して異常に怯えていた影沼の母。
市川実和子の怪演は並みのホラーも真っ青レベル!
ましてや、自分の子供が特殊な力を持っていたのなら尚更。
我が子を殺そうとし、最期は自殺。
影沼のその悲劇の記憶…。
たった一言、ゴメンと言えばいいのに…。
影沼が夢の中に入り、雪絵の悪夢は終わったかのように思えたが…。
今回の依頼を通じて、母と向き合った影沼。
最後に流した涙は…。
エンタメとしては前作だが、ドラマ性は本作の方があったと思う。
シリーズ化に意欲を見せていた塚本監督。
結局2本で終わってしまったが、今10年ぶりのシリーズ新作や『ウルトラQ』風のTVシリーズでもいいし、また見てみたい。
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