「パンダでカンフー?と侮るなかれ。」カンフー・パンダ いきいきさんの映画レビュー(感想・評価)
パンダでカンフー?と侮るなかれ。
版画のようなオープニングから惹き込まれる。
大ヒットで全米ナンバー1であっても、
声優が大好きなジャック・ブラックに、
それからダスティン・ホフマンに、
アンジェリーナ・ジョリーに、ルーシー・リューに、
ジャッキー・チェンと超豪華であっても、
大したことないだろうと、
それほど満足は出来ないだろうと侮っていたのが、
勝手に思っていたのが逆によかったのか、
楽しめたし、面白かった。
それから、お子さん連れがパラパラと居たのも、
会場の雰囲気として童心に返りやすい環境で、
字幕版だったので、
お子さんに教えながら観ている光景も微笑ましく、
孤独なオッサンは僕も教えながら一緒に楽しみたい、
などと思っていた。寂しいね。
カンフー・パンダですので、当然主人公はパンダです。
パンダのポー(ジャック・ブラック)は
カンフーマスターになることを夢見てる、
夢見がちなラーメン屋の息子で、でも親はガチョウ。
その辺は軽く流され、
カンフーの知識だけは豊富なオタクではあるが、
ぐうたらなパンダ。
そんなお腹もお尻もタプタプなポーが、
平和の谷を守るという伝説の 龍の戦士 に選ばれてしまい、
知識だけで何の技術もないド素人のポーは、
憧れのマスター・ファイブ
(タイガー・モンキー・ツル・ヘビ・カマキリ)
たちと共に、あきらめることなく厳しい修行に耐えて、
夢を実現することが出来るのか?
悪役全開の狂暴な
タイ・ラン(イアン・マクシェーン)から
平和の谷を守れるのか?
みたいな定番のストーリーだよ。
ひょんなことから突然選ばれ、選ばれたはいいが、
当然修行にはついていけず、先輩たちにはバカにされ、
師匠にもあきれられ、頑張ったけど、
あきらめようとした時に、特長を活かした修行で、
教えられ、教えて、
それでもダメかと思ったところで開眼し、
めでたしめでたし、だよ。
でもね、観たことあるようなシーンがあっても、
タイ・ランの脱獄シーンは、ちょっとやるな、
などと思っちゃったし、
シーフー老師(ダスティン・ホフマン)とポーとの
修行シーンは楽しませてくれたし、
顔見せ程度かと思っていたマスター・ファイブにも、
それなりに見せ場を用意してあり、
そして、それまでの修行やアクションシーンを、
パンダというか、ボリューム感のある体格を活かした、
ラストバトルに満足してしまった。
声優ではジャッキーやルーシー・リューは
ちょっと印象に残らなかったが、
パンダにピッタリのジャック・ブラックと
ダスティン・ホフマンとアンジーはよかった、
というよりは声が分かりやすかったというべきか。
この3人以外は誰がやってるか観てるときは知らなかったし。
キャラクターとしては可愛くて笑わせてくれるポーも、
スター・ウォーズ?というシーフー老師も、
マスター・ファイブも、ポーのお父さんもいいんだけど、
ウーグウェイ導師の薀蓄のある素敵なこと言っといて、
ボケボケで、ずっと震えてるのが好きです。
導いてくれる師匠も必要だろう。
努力し修行を怠らないことも重要だろう。
でも、それ以上に大事なことをこの作品は示し、
その難しさを
ポーとタイ・ランを対比させることで提示する。
自分は自分でしかないと、自分に嘘をつくなと、
自分を信じろと、自分らしい自分になれと。
自分の広がるかもしれない可能性を狭めてしまうのも、
更に上の段階へ行けるのも、自分次第。
確かにそうだね、という分かりやすさで、これまでの
シュレック シリーズなどとは違うテイストで、
観たことのあるドリームワークスのCGアニメの中では
一番好きな作品かもしれない。
どうしてガチョウがポーの親であるのかとか、
深く描かなかったマスター・ファイブの物語とか、
残した謎が、大ヒットして続編が作られ語られるのかな。
でも、今年の夏は 崖の上のポニョ だろうし、
スカイ・クロラ なんだろうけどな。
あと今年では、WALL・E/ウォーリー なんだろうけどね。
ウォーリーなんて始めてみた時、
予告で泣きそうだったしな。
あっ、エンドロール後に1シーンあります。