劇場公開日 2008年3月22日

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「雰囲気を楽しむ作品」マイ・ブルーベリー・ナイツ Cape Godさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0雰囲気を楽しむ作品

2013年3月10日
PCから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

知的

総合:75点
ストーリー: 70
キャスト: 75
演出: 80
ビジュアル: 75
音楽: 70

 思い通りにならない現実に直面したとき、その場所を捨てて行く宛のない旅に出たいと思うことは多くの人が感じたことのあることだろう。それを実際にしてみたのがこの作品である。主人公のノラ・ジョーンズの歌が紡ぎだすけだるい売れ残ったパイのようにブルーな雰囲気が、社会的には小さいけれど本人にとっては深刻な物語を包み込んでいて、その雰囲気を堪能できる作品になっている。
 傷心のノラ・ジョーンズが思いつくままに彷徨い辿り着いた場所で人々と出会い、人々の背負うそれぞれの人生を目撃し、その痛みを知り経験を積んでいく。その途中途中の物語が印象深かったので、それらとノラのニューヨークと自分探しの旅とが繋がりとして弱くて物語全体としてのまとまりがやや悪い。でも全体としてのまとまりよりも、個別の物語の良さと雰囲気で楽しめる作品だった。わたせせいぞうの漫画にも少し似ていると思った。

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Cape God