「見せない部分がないカーウァイ」マイ・ブルーベリー・ナイツ mtripfountainさんの映画レビュー(感想・評価)
見せない部分がないカーウァイ
カーウァイの作品の特色は、「花様年華」を代表として、見せない部分を感じさせるところにあると思う(すべて見ているわけではないが)。「愛の神、エロス」も3人の監督のうちで、もっともヌードとかを出したアントニオーニの作品がもっともエロチックでなく、もっとも見せないカーウァイの作品がエロスを感じさせたのも、彼の特色であるだろう。
「マイ・ブルーベリー・ナイツ」のもっとも悪い点は、「見せない」部分がなく、そのため、非常にうわべだけの描写となってしまったところだろう。英語作品のため、演技指導がしにくかったのだろうか。主役のノラ・ジョーンズも正直何を考えているのか、という感じで魅力的なキャラクターを作ったとはいえない。ジュード・ロウ、ポートマン、ストラザーン、ワイズなどの脇の人物とのかかわりも浅すぎる。
ロウの店に残されている「鍵」の扱いもいま一つだ。
途中途中でブルーベリーパイと思われるもののクローズアップが映されるが、内臓みたいで気持ち悪い。
コメントする