劇場公開日 2008年9月20日

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「考察したくなる作品」蛇にピアス どん・Giovanniさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0考察したくなる作品

2024年11月5日
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鑑賞方法:VOD

怖い

ドキドキ

カワイイ

 最後がちょっとスッキリしないけど凄く面白かったです。
 二枚舌を使うルイ(吉高由里子)は、蛇のような舌“スプリット・タン”に憧れているようです。

 タイトル『蛇にピアス』は、ルイとアマ(高良健吾)両方が当てはまりますし、それを生み出すシバ(ARATA)のことかもしれません。

 脇役の藤原竜也さんと小栗旬さん、二人の登場シーンは 残酷なのに 不思議と愉快でインパクトがありました。

 シバがみた夢の意味を考えてみました。
 仲の良かった人達へ罪悪感がありそうです。その場所へ遅れて行くというのは、自分だけが まだ生きている状態、つまり 友人5~6人は アマも含め先に死んだ者たち なのかもしれません。
 シバは好きな相手を自分で殺したがるので、ルイもいつか殺されるかもしれません。

 ラスト、交差点でしゃがみこんだ理由について。
 道の途中で歩くのをやめたのは、計画の中止を意味していると考えられます。もともとルイは、人生設計があるわけではなかったのですが、「ニワトリのようなバカをつくるのが得意」のシバから「結婚しよう」と言われていました。
 具体的に、何を中止しようとしているのかは、さらに考察が必要となります。
 ルイが「私に川が出来た」と言ったのは、川の水が一方向に進むように、自分の中で一方向に流れる川のような、命の流れが出来た、つまり 妊娠した ということかもしれません。
 愛の証(もらった歯)を砕いて飲み込むほどの感覚の持ち主っすから、お腹の赤ちゃんこそ本当の愛の証で、ルイには かなり大切にしたいはずです。
 出産すれば、生まれた子どもは自分から(物理的に)離れて行ってしまいます。

 その他にも、ハッキリしていないことがあります。
 龍と麒麟に目玉を入れた理由…。
 ルイはシバと結婚するのか…。
 もし妊娠だとしたら、お腹の子は誰の子か…。

 考えるのが楽しい作品でした。

どん・Giovanni
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