「考察したくなる作品」蛇にピアス どん・Giovanniさんの映画レビュー(感想・評価)
考察したくなる作品
最後がちょっとスッキリしないけど凄く面白かったです。
二枚舌を使うルイ(吉高由里子)は、蛇のような舌“スプリット・タン”に憧れているようです。
タイトル『蛇にピアス』は、ルイとアマ(高良健吾)両方が当てはまりますし、それを生み出すシバ(ARATA)のことかもしれません。
脇役の藤原竜也さんと小栗旬さん、二人の登場シーンは 残酷なのに 不思議と愉快でインパクトがありました。
シバがみた夢の意味を考えてみました。
仲の良かった人達へ罪悪感がありそうです。その場所へ遅れて行くというのは、自分だけが まだ生きている状態、つまり 友人5~6人は アマも含め先に死んだ者たち なのかもしれません。
シバは好きな相手を自分で殺したがるので、ルイもいつか殺されるかもしれません。
ラスト、交差点でしゃがみこんだ理由について。
道の途中で歩くのをやめたのは、計画の中止を意味していると考えられます。もともとルイは、人生設計があるわけではなかったのですが、「ニワトリのようなバカをつくるのが得意」のシバから「結婚しよう」と言われていました。
具体的に、何を中止しようとしているのかは、さらに考察が必要となります。
ルイが「私に川が出来た」と言ったのは、川の水が一方向に進むように、自分の中で一方向に流れる川のような、命の流れが出来た、つまり 妊娠した ということかもしれません。
愛の証(もらった歯)を砕いて飲み込むほどの感覚の持ち主っすから、お腹の赤ちゃんこそ本当の愛の証で、ルイには かなり大切にしたいはずです。
出産すれば、生まれた子どもは自分から(物理的に)離れて行ってしまいます。
その他にも、ハッキリしていないことがあります。
龍と麒麟に目玉を入れた理由…。
ルイはシバと結婚するのか…。
もし妊娠だとしたら、お腹の子は誰の子か…。
考えるのが楽しい作品でした。