「パーフェクト」ウォーリー 歯車農場さんの映画レビュー(感想・評価)
パーフェクト
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子供向けというよりはオマージュや皮肉・そしてロマンに溢れた大人向けの映画だと感じたが、最初から最後まで完璧な作りで驚いた。
物語は創作のお手本のようでもちろん満点。
「ただあなたと手を繋ぎたい」というめちゃくちゃピュアでセンチメンタルなラブストーリーをロボットがやってちゃんとホロリと来るのだからすごい。
ロボットという無機物がちゃんと生き物のような可愛らしさを持っているのが良い。そして主人公ウォーリーが途中無機質なモノになり、また生命感を宿すシーンが天晴れ。同じ機械なのにしっかり描き分ける表現の妙技を見せつけられた。
逆に人間は700年の間にすっかり実写からCGになり、ちょっと生気なく寝ぼけたようになってしまった。そんな人間が再び人間性や存在意義を取り戻していく様も流れるように自然。そして笑える。
ラストのスタッフロールで絵画の歴史に照らし合わせながら人とロボットが人類の歴史を再構成していく流れが紹介されるのが本当に素晴らしい。
テクノロジーとの正しい共存関係を取り戻したのだ。
そして極め付けは最後の最後に出て来るロゴ。
良いお話で終わらせない最高の皮肉ですね。
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