「余韻に浸って」ラスト、コーション rimaさんの映画レビュー(感想・評価)
余韻に浸って
クリックして本文を読む
きわどい性描写ばかりが話題だけど、この映画にはそれ以上のものがある。美しい女性スパイの視点から全編描かれていて、素朴な少女がなぜ危険な任務を選び、いかにしてターゲットと深い関係になったのか。そして、どのような結末を迎えるのか。すっかり映画の雰囲気に呑まれて、158分という上映時間もあまり長いと感じなかった。
まずは主演二人に拍手。それと、ワン・リーホンのダメ男ぶりにも。小柄なトニー・レオンはこの役がぴったり。彼の老けメイクには驚いたが、40代半ばにしてこの色気、すばらしい。タン・ウェイの若い美しさとの対比も見事。
敵同士の二人が中国語の歌を通して初めて心を通わすシーン
人力車をつかまえられない焦りと孤独
くるくる廻る風車
トニー・レオンの涙、最後の表情
見所は数えあげてもきりがない。
ノスタルジックな映画の風景にも感服。良い仕事する。上海が舞台なだけあって「赤」色の使いかたが見事で印象的。しばらく余韻に浸っていたい作品。
コメントする