「純愛を貫く一途な女性の50年耐えた涙」あの日の指輪を待つきみへ Gustav (グスタフ)さんの映画レビュー(感想・評価)
純愛を貫く一途な女性の50年耐えた涙
「砲艦サンパブロ」で印象的な演技を遺すアッテンボロー監督の遺作。1991年から時計を戻すこと50年前の第二次世界大戦開戦の1941年から変わらぬ主人公の愛の誓いと男友達の友情を、謎解きの複雑な筋立てで語る古風な恋愛映画。主人公の夫の事故に絡む北アイルランドのIRAのテロも物語の重要な要素になっている。84歳のアッテンボロー監督の安定した演出に新しさの魅力はないが、老練の味は確かにあります。事実を基に書き上げたというピーター・ウッドワードの脚本は、純愛のテーマより謎解きの方にウエイトが高く、そのオチが平凡なため、作品全体の印象を腰砕けにしています。ただ50年も涙を流すことを封印したシャーリー・マクレーンの存在感が救いにはなっている。
この物語から思うのは、なぜ女性は戦争を嫌うのか。いい男の順から亡くなっていくのが戦争だからではないでしょうか。男が命を懸ける仕事が減れば、男女間の純愛も成立し辛い。
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