劇場公開日 2008年2月16日

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「ファーストフード無しの生活はありえないけど」ファーストフード・ネイション shawさんの映画レビュー(感想・評価)

3.0ファーストフード無しの生活はありえないけど

2008年3月21日

怖い

かなりホットなテーマだと思うのに、公開劇場がほとんどない、というところに業界からの圧力がかかっていたのかなぁ…と思いつつ、面白そうな映画にかわりがないので、「ファーストフード・ネイション」を鑑賞。

とは言いつつ、実はどういう映画なのかほとんど知らなかったから、「スーパーサイズ・ミー」のようなドキュメンタリーだと思い込んでました。ちゃんと原作のあるフィクション映画だったんですね。

徹底した商業主義に走る企業を中心に、違法移民問題や食品衛生問題を巧みに織り交ぜながらストーリーは進行。衛生管理については、つい最近起こった餃子の問題なんかが最たる例だと思うけど、いつどこでどういう管理がされているか消費者には見えないから、一度信用ができなくなったら本当に怖い。怖いけども、だけどファーストフードなしでは至極不便な生活を送っている自分を振り返ると、まずは自分の食生活を改めるところからスタートしなきゃなぁ…という部分への問題提起につながる作品でした。

途中で挿入される食肉牛の話は、そもそも肉という食べ物を受け入れる人が多数いる限り、どうしようもないでしょう。最後の屠畜のシーンは…、これも現実だと思いながらも目を背けたくなりましたが。

もうちょっとリンクレイター監督らしいユーモアのある内容を想像してましたが、原作があるからかかなりストレートなお話でした。考えさせられる部分も多いけど、結構普通の映画だったのがちと残念。ま、刺激的な話にすれば良いってもんでもないし、監督もそのバランスを考えてのさじ加減だったのかもしれないけど。

shaw