「犯人は苦しんだ結果として行動に及んだはずなのだが」相棒 劇場版 絶体絶命!42.195km 東京ビッグシティマラソン Cape Godさんの映画レビュー(感想・評価)
犯人は苦しんだ結果として行動に及んだはずなのだが
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総合:60点
ストーリー: 30
キャスト: 70
演出: 65
ビジュアル: 70
音楽: 65
平凡な刑事物だが、物語は矛盾点が多くて破綻している。暇ならば見てもいいかなという程度というのが率直な感想。
西田敏行は息子の不幸を心から悲しみ悔しんだ。だからこその行動だった。それならば何故まるで殺人ゲームを楽しむかのような行動をとるのか。ましてチェスなどする必要はないし、実際それらが元で警察に手掛かりを与えてしまった。
それにマラソンを狙って爆弾を仕掛けるかのような行動は何の意味があるのだろうか。撹乱を狙ったものだとしても本当の目的とはつながりがないように思える。Sファイルの公開が目的ならば、爆弾騒ぎなど最初からする必要がなく競技場に潜入だけすればよい。他にももっと安全に目的を遂行する方法はいくらでも考えつくだろう。
映画と製作・配給側としてこのようなゲームとか謎解きを物語に含めれば、マーケティング上は視聴者に対して訴求効果があると考えられたのかもしれない。刑事物の定番の手法とも言える。しかし今回のような犯人の動機や人格を考えたときに、このような小細工を加えることはかえって物語をわかりにくくするだけでなく物語を安っぽくしてしまうように感じる。
それとマラソンのゴール地点の競技場で西田を逮捕したとき、水谷豊は横一列に並んで立って西田のことを見ることもなくカメラの正面を向いて喋る。映画ならではの演出だろうが、拳銃持った犯人を押さえた直後にそんな「日本では映画上かっこいい」というような古い演技に逆にひいてしまった。
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