「大スケール!首都壊滅へのカウントダウン!!」相棒 劇場版 絶体絶命!42.195km 東京ビッグシティマラソン しゅうへいさんの映画レビュー(感想・評価)
大スケール!首都壊滅へのカウントダウン!!
「相棒」劇場版シリーズ第1作。
テレビ朝日開局50周年記念作品。
「日曜洋画劇場特別企画」で鑑賞。
ノベライズは既読です。
SNSを利用した連続予告殺人が発生。警視庁特命係の杉下右京と亀山薫は、犯人の目的が東京ビッグシティマラソンを狙った大規模爆破テロであることを掴み、犯行を阻止するために東京中を疾走! 緻密に練られた犯行計画や二転三転する真相に翻弄されながらも、未だかつてない難事件に挑む―
大人気刑事ドラマが待望の映画化!―初の劇場版と云うことでキャストやスタッフもかなり張り切っているのが画面越しにめちゃくちゃ伝わって来ました。
張り切り過ぎて空回りしている部分があることは否めませんでした。しかし、そんな些細な引っ掛かりなんて本作の面白さの前にはあって無いようなもの!
シリーズ史上最も知能に長けた犯人と右京さんとの丁々発止の頭脳戦や、亀山くんの類稀な運動能力を生かした東京中を駆け抜けるアクションが炸裂していました。
国を標的としたテロと云う大スケールの事件に大興奮!―テレビの枠に収まらない迫力があって、劇場版シリーズの中でいちばん映画らしい映画ではないかなと思いました。
実際に起きた邦人人質事件をモデルに、犯人の動機が構築されていました。政府や国民がいかなる態度でその事件に向き合っていたかを糾弾し、復讐のためにテロ事件を起こしてしまうと云う怒りと悲しみに満ちた犯人像でした。
西田敏行の名演もあり、シリーズ史上最も切ない犯人じゃないかなと思いました。家族への愛故にこの国を憎み、自分たちがどう云う想いで生きて来たのかを知らしめようとした…
ですが、どれだけ同情に値するような動機だったとしても、右京さんは自らの信念に従い正義を執行しました。犯人の最期の目的を果たさせてやりたいと云う願いも虚しく、国家権力の壁が立ち塞がり、またもや後味の悪さが来るのか、と身構えたところに雛子嬢の救いの一手が。ありがとう!―どうせ出世の踏み台にするんやろなぁ、と云う想いはありましたが(笑)。
右京さんと犯人が対峙するシーンは、両者の演技合戦が思わぬ相乗効果をもたらしていて、シリーズ屈指のエモーショナルな名シーンではないかなと思いました。何度観てもその想いは変わりません。劇場版ならではの豪華な配役だなと感じると共に、出演してくれてとても嬉しかったです。「相棒」もついにここまで来たかと、感慨深いものがありました。
※鑑賞記録
2010/? ?/? ?:DVD
2010/12/19:日曜洋画劇場特別企画
2012/04/29:日曜洋画劇場特別企画
2013/03/24:日曜洋画劇場特別企画
2013/10/20:日曜洋画劇場特別企画
2017/02/12:日曜洋画劇場特別企画
2019/05/12:日曜プライム
2021/01/22:TELASA
2022/01/12:地上波放送
※リライト(2021/01/06)