パコと魔法の絵本のレビュー・感想・評価
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策士策に溺れる
実写とCGを巧みに組み合わせ、極彩色に彩られた世界を現出させた中島監督の手腕に文句を言うつもりはない。映像の面だけで言えば文句はないから。
ただ、舞台を原作にした本作は、やはり舞台向きの作品だったのではないかと強く思う。中島監督が、役者に舞台っぽい演技を指示した、という記事をどこかで見た記憶があるのだけど、会場の隅々の観客にも届けるため、大げさになりがちな舞台の演技は、繊細な感情の揺れを描きたかったであろう本作に関しては、裏目に出たような気がしてならない。そういう意味では、策士策に溺れる、という言葉が当てはまると思う。
てなわけで、次回作hに期待したい。
忙しかった!
なんだかとってもあわただしい映画でした。昼食後の眠い時間だったので目を少し閉じた瞬間に話がかなり進んで、あたふたしていました(笑)
笑いあり涙ありの監督さんの凝縮した作品だったなと伺えます^^
おもしろい!
公開日に、夫婦と4歳の娘で行きました。
皆で笑いっぱなしでした。
セットがとても凝っていて、別世界に行ったような感じでした。
娘には難しいかなと思いましたが、相当楽しかったようで、毎日パコの真似をしています。
いっぱい泣けば止まります
映画「パコと魔法の絵本」(中島哲也監督)から。
俳優・役所広司さん扮する主人公の大貫が、
入院している病院の先生に訊く。
あることで、涙が止まらなくなってしまったが、
今までの人生、意地悪ばかりして、泣いたことがないので、
涙の止め方がわからない・・
「先生、涙ってのはどうやって止めるんだ?医者なら教えてくれ」
と真面目な顔をして呟く。
その質問に、先生は、さらっと応える。
「簡単です」と最初に言い切り、続けた台詞は、
「いっぱい泣けば止まります」。
「そのうち、時間が立てば忘れます」でもなければ、
「楽しいことを考えれば、止まるかもしれません」でもない。
そうなんだよなぁ、悲しい時は、泣くしかない。
泣き疲れた時、やっと涙が止まるんだよなぁ。
最近、妙に涙もろいことに気付いた。
映画を観て、突然、泣いている自分に驚いたことがある。
映画って、もしかしたら感受性を高める力があるかもしれない。
ひとり映画遊園地気分。
こんなにポップで、クドい世界観を作り出せるのは
この監督くらいでしょうね^^;
たったひとりで○ィズニー映画を創り上げてしまった様な
天才的な映像がスクリーンいっぱいに広がります!圧巻♪
前作、前々作もそうだったので、映像に対する監督らしさは
存分に発揮されている作品だと思います。
ただ個人的には今回のお話、原作が舞台劇ということで、
やっぱり映画になっても舞台劇の要素が強かった~。
それが悪いわけじゃないんだけど、好き好きが分かれるかな。
全体的にとてもいい話です。絵本になるくらいだから単純で、
主人公のパコがその話の中にすんなりと入っていける面白さ。
主演?のガマ王子をはじめ、豪華キャストがそろい踏みで、
しかも特殊メイクで誰だか分からない(ほどではないけど^^;)
くらいに楽しい(コワい)映像に仕上がっているし、
冒頭~中盤のちょっと眠気をもよおすダラダラ感が、メインの
劇に入るとパワーアップし、ものすごいスピード感に早変わり。
良くも悪くも、ホントにこの監督の作る世界はスゴイわ(爆)
役所広司は相変わらずの巧さで大貫を演じているんだけど、
クソジジイ。というほどのひねくれ感は私にはなかったかな^^;
どちらかといえば、一代で業を築いた真面目な爺さんならではの
世直し術というか(爆)ロクデナシたちを一喝している感じ。
そんなロクデナシたちを観てきた爺さんが、純粋に生きている
女の子を目の前にして、へりくだって奮闘する!みたいな。。
その他の面々も実はいろんなものを抱えていて、かなり良心的。
おっかない土屋アンナ(彼女はこういう役しか回ってこないのか)
にしても、実は初恋を引きずる可愛い~女の子だったりして。
いやしかし~。
どんな名優を持ってしても越えられないブッとび感はこのヒト、
阿部サダヲにすべて委ねられている~という感じ^^;
彼の出番になると、全部がサラーっとさらわれていく感じ。
トンでもキャラ度はダントツ☆で、監督の世界観にも通じる。
端役でもない劇中においても(むりやり役を作って)大活躍!?
ナンなんだこいつ~?感を出せるのは彼以外にいなそうです。
ドタバタ感満載で楽しい作品ですが、個人的には前作の方が
好きでしたねぇ。こちらはファミリーで観て楽しい作品かな。
(私の場合、ゲロゲ~ロ♪じゃなくてゲロゲロリ(軍曹)なのだわ)
不覚にも。
久しぶりに号泣してしまいました。
ある程度の予備知識を持って望んだのですが
まさかの展開?
さらにはあれだけのキャストを誰かわからないくらいまでのメイクで
ほんとに絵本でした。
配役それぞれの人間的な部分をコミカルに描き、その背景までもが
この映画のたった一瞬の中に凝縮されていて驚きました。
「松子」や「下妻」も確かに良かったけど
完全に「パコ」に軍配ですね。
お子様より、少し自分や自分の生活なんかに疲れた方にお勧めです。
お医者さまだから治療方法を教えてくれます(*^-^)ニコ
パコと魔法の絵本
因業なじじいが無垢な少女と出会って生まれ変わる。要約すればそれだけのお話。スクルージのバリエーション。タイトルからして「パコと魔法の絵本」だし、「おくりびと」ならまだしも、忙しい大人を引き寄せる要素は皆無だ。実に残念だ。素晴らしい作品なのに。大人は観に行かないだろうな。でも、ポニョかわいいとか言ってる場合じゃないんだよ。断然パコなのだよ。
優しさなのか弱さなのか、どこか壊れた入院患者達。啖呵を切るのはスタイル抜群の看護婦さん。号泣するのは強面の男達。タフでなければジェントルにもなれぬという意見もあるが本当に優しいことが一番強い、というメッセージは傾聴に値する。
アメコミ風デザインのキャラをコスチュームプレイする役者達の、一見誰とは分からぬメイクとオーバーアクトがキッチュな背景とも良く調和している。それぞれのキャラが明確で、どの役者も思いっきり役を楽しんでいてとても楽しいし魅力的だ。クライマックスは実写とCGアニメをハイテンポなカットバックでつなぐという手間のかかる仕事振りで見せ場は最高に盛り上がり、パコを中心にした高揚感が安らぎと希望に満ちたエンディングへと美しく豊かな実を結ぶ。
派手派手しく洋風にお洒落っぽい作りだが、尻がむず痒くなるような恥ずかしさとは無縁の堂々たるファンタジー振り。日本でもこんな高水準の作品が出来ちゃったんだなぁ。ディズニーにもティム・バートンにも遜色ないどころか凌駕する勢いに胸をうたれる。下妻、松子、パコと観たことのない世界を拓き続ける中島哲也!凄い!。チャレンジングなクリーエーター魂が炸裂した本年屈指の傑作なのである。ゲロゲーロ!
大人が泣けるおとぎ話
「下妻物語」「嫌われ松子の一生」の中島哲也 監督、最新作。最初に言っておきますが、ムッチャクチャ面白かったですわ!
映画館に入った瞬間、座席を埋める子供の多さに、一瞬ひるんでしまいました。『え?コレってお子様向け映画?CMとかだけ見てたら、そんなイメージ抱いちゃうのかな~(ウチの娘も『これ、見たい!』とか言ってたし)。大丈夫か~?この映画!』と、少々不安を抱えつつの観賞となったのですが、いざ上映が始まると、そんな不安はどこかへフッ飛んでしまいました。映画前半、『これでもか!』と言わんばかりに繰り出される、とってもダークな“摩訶不思議、阿鼻叫喚・暴走中島ワールド(^^;”に、『こんな映像、子供は恐がるんちゃうの?』と思いつつも、ぐいぐい引き込まれ(あ、意外とお子様たちは大人しかったです)、後半からは子供も大人も楽しめる、“超原色フルCGキャラクターショー”に狂喜乱舞!そう、まるでおもちゃ箱をひっくり返したような、1時間45分でした。でも、ただただ楽しいばかりなく、ストーリーもキチンと練られていて、大人の吾輩が観ていても何度か“ホロリ”と…いや下手すると“号泣”しかねないほど、愛と優しさに満ち溢れた素晴らしい、“大人向けのおとぎ話”でした。
役所広司、妻夫木 聡、土屋アンナ、阿部サダヲ、加瀬 亮、小池栄子、劇団ひとり、山内圭哉、國村 隼、上川隆也…主要キャスト陣の奇抜なメークと、彼等がCGキャラとして描かれた後半の“絵本芝居”のシーンは、もお絶対必見です!役所さんは貫禄でしたが、吾輩的には「魅せられて」を絶唱する國村さんと、ヒース・レジャーが演じた“ジョーカー”を彷彿させる(チョット、褒めすぎ??)、妻夫木クンの“ザリガニ魔人”の怪演が、大ヒットでございました。あと、アヤカちゃんは、凄いですね~。上手いし、カワイイし(←変な意味じゃなく!)…ホントに“天才子役”誕生ですね!
しかし今年は“ポニョ”だの“パコ”だのと、カタカナ名前が流行ってますね。この方が子供にはウケがイイのかな?何となく、大人が聞いてても楽しい響きですしね。でも、ホントにこの映画を観るために、あんなにたくさんの子供たちが来ているとは、想像いたしませんでした。いやあ、CMの力は凄い!
『子供が大人に、読んであげたい物語』←いいキャッチですね。意外にも(!)親子で楽しめます。是非映画館でご覧になってください。あ、決して“実写版・ケロロ軍曹”ではございません(^^;!
命きらめく!
前半のドタバタ自己紹介と,
現在と過去が行ったり来たりする画面に集中できず,
なかなか世界観に入り込めない。
その,もどかしさが解消するのは,
純粋無垢な少女パコが前面に出てきてから。
全員がひとつになってパコを励ます劇中劇が素晴らしい!
愛情と優しさに満ちたカラフル&ハートフルな芝居に拍手。
濃ゆ〜い面々の全員に見せ場があって楽しかった。
どうにもならない現実を描きながらも,
動いた事には必ず結果が残るという前向きなメッセージに,
支え合う人生の豊かさを感じさせてくれる素敵なお話でした。
日本映画の未来は明るい!
しばらくぶりに見た日本映画がこれ。ひょんなことから子供たちのいうなりに映画館に行き、全く期待しないで見たのですが、これが大当たり。今年見た全ての映画の中で最も泣かされました。
内容はファンタジック・コメディ(?)。最初はこんなにたくさんの配役イラネーと思っていました。しかし、徐々にそれぞれのキャラが絡みだして、個性的な俳優陣がそれぞれ素晴らしい演技を見せてくれ、最終的に観客に感動と涙をもたらしてくれます。特に役所浩司と土屋アンナの立ち回りシーンで号泣してしまいました。とっても素晴らしい演技です。ちなみに涙の止め方は映画の中で教えてくれるので安心してください。
あらすじは「傲慢なクソじじいがとある病院で、絵本を抱えた少女に出会う。その少女には実は秘密があって・・・。」というところでアイデアとストーリーはそんなに新しいものではない(レモニー・スニケット+パンズ・ラビリンス+落下の王国)のですが、日本の十八番のアニメ演出(といってもCGアニメ)がうまい具合に絡んで、世界に「これが日本の映画だぜ!」と胸を張って言える出来だと思います。(でも、ぎらぎらした映像は、私は気になりませんが、スピードレーサーが苦手だったヒトはちょっとつらいかも)
「落下の王国」と同じで、監督はアヤカ・ウィルソンというとても魅力的な少女を起用することができて、そういう意味でも、奇跡の映画の部類に入ると思います。家族4人で映画見てポップコーン入れて1万円近い出費でしたが、この映画はその価値あると思います。子供たちも「いっぱい泣いたよ!」とうれしそうでした。おすすめです!
すごいと思う
下妻の監督はやっぱ楽しいですね!!
私的には下妻派ですがとてもこの映画もすてきです!
ぜひ、小さいコに見てほしいと思います!
てか、映像もむちゃくちゃカワイイですが、脚本がすごいと思います!
CGになったり実写になったり、よくわけがわかるようになってるなーって思いました♪
ちょっとブラックな和製ドリームワークス
試写会で見てきました。
観客は主人公と同年代と思われる層が多かったです。
でも、子供はもちろん、大人もとっても楽しめる映画に仕上がっています。
(そこここに散りばめられた 監督の趣味と思われるガンダムとかのネタは
R35世代の方が楽しめるでしょう)
とある病院の中で繰り広げられる ちょっとの間の物語。
病院、というと 白いとか暗いとかいうイメージありますが、
そういうのとは全く違うカラフルな世界が繰り広げられていた・・・。
個性的なキャラクター達と、優しさにあふれたストーリー。
キャストの皆さんが本当に楽しそうに演じていてそれが伝わってきました。
その素晴らしい演技を生かすメイクや衣装もインパクトがあってすごく良かった。
主人公のパコを演じるアヤカ・ウィルソンちゃんは 本当に天使のような笑顔!
役所さん演じるオオヌキが心を動かされるのも当然です。
ストーリーテラーでもある阿部サダヲちゃんは、期待通りの変人ぶりで笑えます。
個人的には小池栄子ちゃんと、事務所的にOKなんだろうか!?と
ちょっと心配になるくらいの妻夫木くんのキレた演技がお気に入りです。
CGと実写との融合!とのことで どんなものになるのか
若干心配だったのですが、ファンタジックなストーリーにしっかり合った
使い方で、違和感無く絵本の中の世界が表現されていたと思います。
若干サイケデリックで、でもかわいく、カッコいいCGにアメリカ製アニメの
ような大仰な音楽。それがまたいい感じ。
ここのサイトでも意外にも「見たい度」が低いですが、
「子供向け」と思って見ないでいると、ちょっと損しちゃうかも。
そのくらい、楽しめる映画です。
ちなみに 試写会場では最後に拍手が起こっていました。
珍しいですけど、納得。
これは多くの人に見てほしい一本
「下妻物語」「嫌われ松子の一生」の中島哲也監督最新作。予告では日本版「チャーリーとチョコレート工場」という感じだが実際には少し違う。「下妻」は面白かったが「松子」はイマイチ(世間で言われるほどに中谷美紀がいいとは思わなかった)と感じていた人間にとっては当り。
誰かすぐには分からないほどにメイクをしている役所広司・妻夫木聡・上川隆也。コスプレ系の土屋アンナ・小池栄子・國村隼・山内圭哉、別次元の阿部サダヲ。といった具合にキャスティングと演技はユニーク。阿部のキレっぷりは予想通りだが妻夫木と上川も負けていない。妻夫木の役などは小さい子供が見るとトラウマになりそうだが、子供に死の概念をそっと教えるような映画があってもいい。土屋アンナの存在もちょっときついかなと思ったが最後に効いてくる。タイトル・ロールの少女はアヤカ・ウィルソン、うまいというよりはカワイイ存在感で勝負だが、この映画の場合はそれでいいし、妻夫木が演じている役とも呼応している。
最後の劇中劇はCGアニメとの融合。ここはCGを適切で、必然性のあるな使い方をしていて物語にもうまく入り込める。中島監督らしいコネタはガンダムやジュディ・オングとあるが分からなくてもあまり気にならないと思う。もちろんその以外の笑い要素はてんこ盛りだし、それでいながら最後にホロりきてもおかしくない。すべての人におすすめ。
下妻を超えた?んー。
日本映画らしい作品で。
ハイスピードコメディで。
笑えて、泣けて、ちょっぴり切なくて、胸が温まるそんな作品で。
映像技術もかなり高くて良かったものの、なんだか物足りない、なんだか惜しい。
テーマはいいんだけれど、どうにも単純すぎるし、全ての動機が軽薄すぎる気がする。
もうちょっと登場人物ひとりひとりのパーソナリティをを深く掘り下げて欲しかった。
だからなんとなく消化不良気味。
キャストはいいし、演技も巧いから尚更惜しい。
そして、阿部サダヲに喰われた感がある作品。
観ていると次第に阿部サダヲの一挙一動を待ち望むようになります(笑)。
阿部サダヲがいなかったら良くも惡くも違う作品になっていたことだろう。
主人公パコの女の子はかわいいし、演技もうまいし、これからが楽しみだ。
土屋アンナは「下妻物語」より面白いといっていたが、僕は「下妻」のほうが好きだ(笑)。
笑って、笑いながら泣いて、泣きながら笑って。
「お前がワシの名前を知ってるってだけで腹が立つ」
と理不尽な物言いをして他人を傷つけてきたワガママ放題のクソジジイが、
強がっていた自分の弱さを自覚し、
どうしていいか分からない感情が溢れ出してきた時、
あったかで、やさしい物語が動き出す。
一代で会社を大きくし、
ワガママ邦題で傲慢に生きてきた大貫(役所広司)は、
元・有名子役の室町(妻夫木聡)、
ピアスとタトゥー入りの看護士のタマ子(土屋アンナ)、
謎の人物な堀米(阿部サダヲ)、大貫の甥でボケキャラの浩一(加瀬亮)、
浩一の妻でお金にとことん弱い看護士の雅美(小池栄子)、
轢かれた消防士の滝田(劇団ひとり)、
傷だらけで傷を負ったヤクザの龍門寺(山内圭哉)、
ジュディ・オングと噂話が大好きなオカマの木之元(國村隼)、
ピーターパン気取りの医者の浅野(上川隆也)、
と患者も医者も何かを抱えていて、クセのある人物ばかりの病院で、
純粋な心を持っているパコ(アヤカ・ウィルソン)と出会う。
パコは毎日、毎日、同じ絵本を読んでいた。
ある日、パコを引っぱたいてしまった大貫は、パコの病気のことを知り、
プレゼントの絵本の秘密を知り、
パコのために何かをしてあげたいと想いはじめる。
元となっているのは MIDSUMMER CAROL ガマ王子vsザリガニ魔人
という舞台だそうで、それを 下妻物語 や 嫌われ松子の一生 という、
カラフルだけど毒のある作品を作ってきた中島哲也監督が
豪華なキャストを使い、
監督らしい極彩色満載のカラフルでポップな世界に仕上げ、
クライマックスではフルCGのキャラクターたちと、
病的な人物の実写との楽しくて大胆な合成を豪快に織り交ぜて、
クソジジイと純粋少女の奇妙な交流をシニカルに、でも、あったかくて、
サービス精神旺盛な笑いタップリに描き出した、子供はもちろん、
もしかしたら大人の方が楽しめるかもしれない、
笑って、泣けるファンタジックな絵本。
ストーリーはギャグがなかったら、
こちらが照れてしまうくらい純粋でストレートではあるが、
その照れ隠しなのか、序盤から阿部サダヲが笑わしてくれて、
僕はあのボタンが押したくてたまらない。
その辺のテンドンというか、繰り返しがクドイと思ってしまったら、
ちょっと楽しめないかもしれない。でも、僕は大好きです。
ガンダムネタなどは子供でも、まだ分かるかもしれないけど、
「人間~なんて、ララ~ラ~ラララ、ラ~ラ~♪」などと歌い始められても、
ジュディ・オングの曲を歌い始められても、よくわかんないだろうし、
大人のほうがギャグは楽しめるかな。
アヤカ・ウィルソンは新人みたいなのでまだ演技はともかくとして、
可愛すぎるぐらい可愛くて、パコという少女に、
作品に説得力を持たせてるように思うし、豪華な出演者の中でも、
やはり、役所広司のクソジジイぶりはさすがで、
ちょっと下手に演じる演技もよかった。
阿部サダヲの暴れっぷりは楽しく、もっと暴れてくれ~などと思い、
國村隼のカフェオレなジュディ・オングも、
上川隆也のキラキラなピーターパンも最高で、他のみんなも最高。
主要キャスト以外でも貫地谷しほりの使い方も面白く、
彦麻呂なんて爆笑です。一瞬であれだけ笑わせられるとは思わなかった。
だけど、エンドロールで他にも知ってる名前があって、
気付けなかったのが、ちょっと悔しい。
ちょっと変わっていて、不器用な生き方しか出来ない、
ダメな大人たちが少女のために、
無駄だと思っていたことに一生懸命になる。
その変だけど、楽しそうな姿に、バラバラだった者たちが、
まとまっていく過程に、なんだか泣けてくる。
サイドストーリーも笑えるんだけど、泣けてくる。
僕にも、先生、涙の止め方を教えてよ。
やるな~、と思ってしまった、
クライマックスのフルCGのキャラたちと実写の融合具合も素晴らしく、
オチの切れ味もなかなかでした。
あえて言うなら、クローズZEROの黒木メイサほどではないが、
エンディングならまだしも木村カエラの歌のシーンは途中にはいらないか、
そして、ラストもドリフを少し期待してしまったか、
というぐらいでしょうか。
大好きです。
楽しませる優しさと、人を笑わせられる無邪気な子供心。そして、人を感動させてくれる繊細さが一杯詰まっています。
小地蔵は、これまで中島監督作品を敬遠していました。なんといってもど派手でベタな演出手法を拒絶してからです。本作も原作の舞台さながら、ナンセンスな台詞とベタで濃いキャラの出演者ばかりで、冒頭は、ため息つきながら見ていたのです。
ところが孤独で自己中な老人大貫と1日で記憶を失ってしまう少女パコのピュアなこころのやり取りにを見ていくうちに、すっかりはまってしまいました。そして不覚にも思わず涙ぐんでしまったのです。
本作には、中島監督の人を楽しませる優しさと、人を笑わせられる無邪気な子供心。そして、人を感動させてくれる繊細さが一杯詰まっています。
出演者が語るガマ王子の絵本の物語を3D映像でも表現しているので、小さな子供も大喜びして観れるでしょう。主演級の超豪華キャストをCGキャラクターに変換させて、元の本人と合成し共演させているのですからすごいことです。しかも、どのキャストも誰が誰だかわからない奇想天外なメーキャップと衣装なんです。後でサイトのキャスト一覧を見て、仰天!みなさん何か学芸会をしているかのような童心に帰った演技でした。
ただ本作は、結構大人が考えさせられる映画だと思います。
それは絵本の内容と大貫の心の変わりように象徴的に描かれていました。
一代で成り上がった大貫は、誰にもこころを開かずに、わがまま放題に生きてきました。誰かに自分を名指しされるだけで、「おまえが自分を知っているだけで腹が立つ」と罵る始末。そんなクソシジイが、純金のライターを取られた腹いせにパコを殴ってしまいます。けれども、記憶を1日でなくすパコには、翌日殴られたことも忘れて、大貫に親しく声をかけてきます。怪訝に思ったなった大貫は、院長からパコが事故に遭って、両親と記憶を共になくしたことを知ります。このときの大貫が大泣きするところが忘れられません。院長にこう聞くのです。「俺は泣いている。生まれて初めてなので止め方を知らない。院長涙はどうやったら止められるのだ。」と。院長の答えは、「思い切り泣いたら止まる」というものでした。
大貫は自分の孤独さに蓋をしていたのでしょう。現実を受け入れることが怖かったのでしょう。それがパコという自分の存在を1日で忘れられてしまう人に出会ってしまったことで、思い知らされたのです。
「この子の心の中にいたい」と。
大貫は、パコに何か自分にできることがあったら、してあげたいとと本気で思うようになります。それは、1日しか記憶が残らないパコに、それでも何か思い出に残ることをしようと。そして毎日毎日パコの好きなガマ王子の絵本をパコに読んで聞かせてあげたのです。
まるで大貫そのもののガマ王子がみんなのために戦いに立ち上がるお話は、読んでいる大貫にとって自らの贖罪にぴったりな内容だったのです。
小地蔵は、大貫の変わりようを見て、自分の人生を省みることの可能性を感じました。どんな頑固者で自己中でも、悔い改めることができるのですねと。
他にも素敵なところはたっぷりありましたが、長くなったので画面で見てください。画面も芝居も極彩色にして濃厚なのに極めて淡いピュアな気持ちに浸れることでしょう。
最後に、パコを演じたアヤカちゃんのコメントが面白いので紹介します。
いつも「ダメ! ダメ! ダメ!」と、スタッフや役者さん達をどなっていたので中島監督のことを「クソじじぃ!だなぁ~」と思ったりもしましたが、出来上がった映画をみたらとってもすばらしくて クソじじぃ!だなんて思ってごめんなさいという気持ちになりました。
なるほど、だから中島監督には 監督の上に“天才”って言葉がつくのだなぁ~って思いました。
アヤカちゃんにとって中島監督は、大貫のような存在だったのですね。
チョット目が疲れる
試写会で見ましたが実写とCGが交互に現れてめまぐるしく映像が変わるので
チョット目が疲れる感じがしました。全体の感じは絵本の中にいるような感じです。
各キャラクターの個性が強くて初めのころはストリーが解りにくかったのですが後半になってストリーも解り易くなって泣けるとこもあり、楽しいとこもありで盛り上がりました。
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