容疑者Xの献身のレビュー・感想・評価
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「愛さなくていいから、遠くで見守ってて」【追記あり】
東野圭吾さんの作品で一番好きなのは「流星の絆」、その次がこの直木賞を受賞した「容疑者Xの献身」。
「流星の絆」はニノが主演したドラマも原作も、両親を失った3人の幼い兄妹の救いようのない物語でしたが、東野圭吾作品にしては珍しく癒やされるラストが好きでした。
「ガリレオ」シリーズの湯川学は、東野圭吾さんが佐野史郎さんに当て書きした主人公。
福山雅治さんの主役でドラマ化されてから、佐野史郎さんが書いた原作の「あとがき」を読みました。
柴咲コウさんの内海薫も、原作には登場しなかったドラマオリジナルの女性刑事。
ドラマが大ヒットして、原作シリーズの途中から内海薫が登場しました。
『容疑者Xの献身』は福山雅治さんの映画初主演作品で、2008年の劇場公開から17年。
福山雅治さん×東野圭吾さんの新作映画公開記念で、フジテレビで繰り返し地上波放送されています。(9月13日土曜プレミアム放送)
映画館で鑑賞して、原作を読み、アミューズの知り合いからプレス用の特別盤Blu-rayを譲ってもらって、憶えていない程何度も観た作品。
なので地上波放送をチラ見しながら、お願いだからそのシーンをカットしないでほしい…とつぶやいてしまいます。
ガリレオシリーズの長編は、「容疑者Xの献身」「聖女の救済」「真夏の方程式」「禁断の魔術」「沈黙のパレード」「透明な螺旋」。
第2弾の「聖女の救済」は映画化されず、ドラマのシーズン2の最終話として制作されています。(映画の放送に合わせて9月15日に再放送)
『容疑者Xの献身』の堤真一さんと松雪泰子さん、『聖女の救済』の天海祐希さん。
ガリレオシリーズの大ヒットの立役者は福山雅治さんですが、犯人役が加害者だけではない面をどう演じて見せてくれるか、が大きい作品でした。
リメイクされた韓国版『容疑者X 天才数学者のアリバイ』、中国版『嫌疑人的X献身』、インド版『容疑者X』。
韓国版とインド版には湯川学(福山雅治)は登場せず、主役は石神哲哉(堤真一)でした。
【追記】
レビュータイトルは、福山雅治さんが柴咲コウさんに楽曲提供した主題歌「最愛」より。
この主題歌が流れるラストのシークエンスは、原作にはない映画オリジナル。
隅田川に舞う雪と、川底から引き揚げられた壊れたスノードームの中に降り積もる雪。
隅田川から東京湾への空撮の映像は、2021年の東京五輪で移り変わる前の東京の景色を写していました。
このラストで、映画が直木賞を受賞した原作を超えたと感じました。
P.S.
映画.comの生涯ベスト5の作品に上げていますが、レビューを書こうかずっと迷っていました。
フォローしているレビュアーさんの「マイベスト邦画にランクインしている作品」というタイトルが目に留まり、背中を押されました。
✎____________
2008年映画館で鑑賞
BS・地上波・配信で鑑賞
9月13日地上波で鑑賞
9月15日★★★★★評価
9月15日レビュー投稿
10月8日レビュー追記
ドラマ版とは唯一違う点
最高傑作かつ誰にも「憂い」が無い。
他の作品は全体的にキャラが渋滞傾向で、ストーリーにフォーカスがつけにくいが、この作品はバランスがいい。
特筆すべきは容疑者Xの人間味(存在感と演技)
だろう。
ほとんどの人が共感できそうも無い頭脳の持ち主のはずが、なぜか人として共感してしまう。多分、人間の強さと弱さがしっかり描かれているのだと思う。
羨ましさと共に「天才じゃなくてよかったー!」なーんて安堵する瞬間もある。
脚本もキャストも素晴らしい。確かにハッピーエンドでは無いが、バットエンドでも無いと感じた。
頭脳、友情、美貌・・・。
何もかもが報われない、、、壊れるだけの未来を引き寄せる「能力」の様に感じる儚さと同時に、しっかりと現実(今)は形ある未来を引き寄せるんだと。
その意味で、誰も「憂い」が無い作品では無いだろうか。つまりしっかりと魅せておきながらも誰もが納得のラストだと思う。
犯罪を良しとするものでも、愛や想いに全ての正解やハッピーエンドを乗っけてしまう事もなく、
悪は悪として、良いものは良いものとしてちゃんと置いてくれている。
それが冒頭に書いた「バランスの良い」というもう一つの意味である。
こういう映画がもっと増えて欲しいと素直に思う.(もちろん自分の好みってだけだけどね)
理屈っぽくなったけど見応え十分だし、単純にとても面白い映画。
ほとんどの人が感動すると思うが、
一体「何に感動したのか?」と見終わった後に自問してみて欲しい。
きっとそこにこの映画の良さが見えてくるだろう。
小学生の頃、父の勧めで“探偵ガリレオシリーズ”を読んでから、東野圭...
小学生の頃、父の勧めで“探偵ガリレオシリーズ”を読んでから、東野圭吾作品にどっぷりハマり、読書の面白さを学ばせてもらった。もちろん本作『容疑者xの献身』も小学生の頃に読んだ。しかし、自分が探偵ガリレオに魅了され始めた時には、既に本劇場版は公開された後だったので、スクリーンで初めてガリレオを目にしたのは次回作の『真夏の方程式』だった。当時中学受験を終えたばかりで、そのご褒美として映画を観に行ったので、その体験はとても思い出深く、自分は忘れっぽい性分ではあるのだがこの時の記憶は鮮明に思い出せる。
それ程、小中学生の頃の大事な思い出として深く記憶に刻まれている”探偵ガリレオシリーズ“であるが、本作を何時どのタイミングで観たのかはあまり覚えていない。きっとテレビやDVDで観たのだろう。ただ「面白かった」という記憶だけが残っている。そして、この前風の噂で本作がテレビで放映されたという事を知り、懐かしい気持ちになったので、久しぶりに本作を観ることにした。
何時どのタイミングで観たのかを覚えていない割には、内容は意外と頭に入っており、やはりガリレオは面白いなと色々懐かしみながら序盤•中盤の場面を楽しんでいたが、あのラストのシーンを観た時は、思わず号泣してしまった。当たり前ではあるが、幼い頃に観た時と色々人生を経てからの今ではやはり感じ方が全く違う。
それぞれ立場の違う、石神・花岡・湯川らの想いに感情移入せざるを得なかった。誰も報われないラスト。何の罪のない花岡泰子とその娘、石神哲哉の歪んだ純愛、そして誰も幸せにならない結末を迎える事を分かっていながらも自らその二人に引導を渡した天才湯川学の決断。特に花岡親子の悲惨さや残酷さを考えると涙が止まらない。
数々の名作を生み出した”探偵ガリレオシリーズ“ではあるが、今作はある意味他の作品に見られるガリレオっぽさがない所がより感動を引き立ててるのかもしれない。だからこそ、数多くの人に愛される作品になったのであろう。改めて超名作。今後も死ぬまで思い返しては何度も見返す作品になるだろう。
この作品を生み出してくれた東野圭吾先生、そしてこの素晴らしい映画を世に放ってくれた全ての人に感謝を伝えたいです。ありがとうございます。
ガリレオ史上最高傑作
「石神は、花岡靖子に生かされてたんですね」
日本ミステリーの金字塔
ガリレオ新作が9年振りに公開されるということで、予習がてらに鑑賞したのですが、こんなに面白いとは...。柴咲ガリレオはお初にお目にかかったのですが、最高でした。脚本、役者、展開、テンポ、音楽、演出、全てが完璧。久々にこんなに面白いミステリー見ましたよ。
劇場版ガリレオ第一作品目にして最高傑作と言われる本作ですが、まさにその通りかと。これ以上があるのか?これを越えられるのか?そのくらい見応えのある内容だったし、非の打ち所のない見事な映画です。
トリックや構成ももちろん凄いんだけど、やっぱり度肝を抜かされるのは堤真一の演技力。いつもとんでもないものを見せてくれるのだけど、今作はレベチ。★5.0になったのは堤真一のおかげといっても過言ではない。福山雅治との掛け合いも良く、最高の映画になった所以でしょう。数学者という設定も良かったし、ちゃんとハマっていたし。
序盤から終わりまで目の話すことの出来ない素晴らしい作品。正直、今後のガリレオでこれ以上の作品を作ることは出来ないだろうし、なんなら日本のミステリー映画の中でもトップの座に君臨するほどの作品だろう。この映画見らずして、邦画ミステリー語れず!大満足です。
原作のガリレオシリーズの中でもこれがいちばん好き。 原作との違和感...
人間の幸せってなんだろう
DVD持ってて大好きな映画ですが、改めて視聴 素晴らしい映画です。...
DVD持ってて大好きな映画ですが、改めて視聴
素晴らしい映画です。
映画とかドラマで泣くことほとんどない自分ですが、最後の「どうして」ででウルウルきてしまいます。毎回。
あと、KOH+の「最愛」も最高です。
あえてマイナスをあげると、松雪さんが美人美人言われることへの違和感とか、
ダンカンとかの配役でしょうかね。
おうち-258
愛さなくていいから、遠くで見守ってて
仕事終わりのマツキヨ、ふと入ると、この映画の主題歌「最愛」がかかっていた。
もうだめ。『タイタニック』と同じで、主題歌の前奏だけで泣けるから。『ターミネーター2』と同じで、タイトルだけで泣けるから。
堤さんは『泣くな赤鬼』といい、最近は「やまとなでしこ」の欧介さんといい、ほんと泣かしてくる。
そんなわけで曲が終わるまで、マツキヨで呆然と立ちつくし(変人)、曲が終わったら何も買わずに直帰(変人)、即アマプラ。
「愛さなくていいから、遠くで見守ってて」
主題歌はまるで、石神の心を描いたよう。
石神を演じる堤真一さんの演技が、ただひたすらに凄まじい。
電話ボックスで、靖子に電話をしたあと。
職場で靖子の弁当を食べるとき。
他の男の車から出てきた靖子を見たとき。
そしてラストシーン。すべての表情が忘れられない。
どうしたらあんな演技ができるんだろう。
福山さんはどうしたらこんな曲を書けるんだろう。
東野さんはどうしたらこんな心をえぐって、ぐちゃぐちゃにするのに、透明な涙が流れる物語を紡げるんだろう。
はぁ。感情揺さぶられ過ぎて疲れるよ。
堤さんにやられた映画なので、堤さん祭りのレビューにしましたが、松雪さんの抑えた演技も素晴らしかったです。
観賞後は、YouTubeで「最愛」を検索→一発目の動画で映画を超える涙量を観測しました(笑)
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