容疑者Xの献身のレビュー・感想・評価
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観る者に息つかせぬ展開
2時間あっという間に感じた。
うまいよなぁ。
石神の通勤路を一度映し、再び同じカメラワークで、
ホームレスたちを横目に「彼らも歯車」という石神と湯川のやり取りを映す。
私はここで違和感を感じたのだけど、推理には思い至らなかった。
なんかの伏線か、とは予感したけれど。
伏線どころか核だった。
石神がなぜ日々の生活に絶望を感じていたのか、というところを、
もう少し観る者に納得させてほしかった。
まぁ小説の原作にはこの辺も綻びなく描かれているのかしら。
読んでみようかな。
“映画っぽくしてみました”が鼻につく
自ブログより抜粋で。
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直木賞受賞作が原作だけあってテレビドラマの劇場版と思えば充分面白いんだけど、テレビ的価値観による“映画っぽくしてみました”が鼻につく。
(中略)
原作未読のおかげで驚きのトリックにはまんまと騙されたし、感動の大団円も素で満喫できた。
けど、オープニングの派手なだけの実験や取って付けたような雪山登山とか、なんか「頑張って映画スケールにしてみました」っていうあざとさが気になってしょうがなかった。
山小屋が顕著なんだけど、照明がよくないのか撮り方が嘘くさいのか、セットがあからさまに作り物だし、湯川と石神の挑戦的な別れ際のスローモーション撮影も演出過剰ではったりにしかなっていない。
推理モノとしてのトリックの全貌がわかったときはさすがに唸らされたけど、そこに至る推理過程は観客を置いてけぼり。
もう少しヒントなり、ミスリードなりを用意してくれないと傍観するしかない。別の言い方をすると、真相は予想できなかったにもかかわらず“やられた感”は乏しいのだ。
また、脚本の詰めの甘さからか石神にあまり天才らしさを垣間見れられないのも物足りなさを感じた。
トリックそのものは天才らしい周到なものだったけど、前提となる石神という孤独な天才キャラクターを描き切れていない。
机上で難問を解くとかではなく、もっと日常的なところで凡人との違いを見せつけなければいけないんじゃないの?
役者に目を転じると、堤真一の役柄をわきまえた抑えた演技はよかった。実質的な主役は彼。
松雪泰子と金澤美穂ちゃん親子もいい。松雪泰子はいい女優さんになったなあ。
福山雅治も悪くないんだけど、堤真一らと対峙するとやはり格の違いを感じてしまう。
柴咲コウはたくさん映画に出てる割に演技の幅が少ないなあってのが正直なところ。でも今回は案内役ということでそれはあまり気にならない。ただ、唯一の見せ場といえる福山雅治に真相を問い詰めるシーンが演出のまずさもあって台無しなのが惜しまれる。
総じて最近あまりない本格的な推理モノとして悪くはないんだけど、素直に褒める気になれない歯がゆい作品。
原作には勝てないかな
うーん、まぁ普通に面白かったですよ。でも原作にはやっぱり勝てない。2時間で全部を埋め込むのは難しかったということかな。原作を読んでいない人の方が素直に楽しめると思います。
このお話はですね、最初から靖子が犯人だとわかっているわけですよ。だからそれを石神がどう隠蔽したのか。何故彼女に完璧なアリバイがあるのか。まずそのトリックと、そして石神vs湯川の頭脳戦、さらには石神の無償の愛が見所だったはずなんですが・・・。
正直原作で内容を知ってしまっているからか、まずトリック部分にたいした驚きがない。ほぉ、そうだったのか!と思わせる演出が足りなかったように思ったんですよね~。って私だけかな。
また湯川先生が唯一天才と認める石神のその頭脳のすごさ、そしてその石神の頭脳が考えだした隠蔽工作に挑んでいく湯川先生の姿がね、もっと盛り上がっていいはずだったんですけどね。謎解きに湯川先生はもっと苦労してほしかったなぁ。なんか簡単に答え見つけちゃって、あれ~という感じ。これは時間が足りないせい?それだったら雪山に登るシーンカットしてこっちをもっと描いて欲しかったです。
湯川先生のイメージが全く福山ではないように、石神は数学オタクで結構暗く地味~なイメージだったのですが、堤さんの配役は見事でしたね。かっこいいのにダサくて陰気な雰囲気を出せる俳優さんですから。普通に福山さんと堤さんだったら絵になりますしね~。
背中を丸めて発する言葉も少なく、人生に何の楽しみもないような男・石神。堤さんの演技、さすがですね。どっしりと重くて暗い雰囲気が全体から漂ってます。それに比べて湯川先生の爽やかなこと。お前はいつまでも若々しくていいな~、と石神でなくても言いたくなってしまいますよ。
そして原作同様、事件の真相に気づいてしまった湯川先生は苦悩します。相手が石神であるが故に。その苦悩をね、全く必要ない存在の柴崎コウ演じる内海に”友人”として聞いてくれって話してしまったところが私は納得いかず。だいたい連ドラですら内海の存在価値を全く感じられなかったのですが、映画となればなおさら。本当柴崎コウ、超いらない。というか邪魔。ギャーギャーうるさいだけだし。連ドラは仕方ないにしても、この映画容疑者Xの献身では彼女は登場しないでくれた方がよかったように思いますよ。湯川先生、石神、花岡靖子、この3人がメインで十分じゃんって。そして友人として話をするなら内海じゃなくて草薙なんですよ。
福山さんの格好良さと、堤さんの演技の上手さはすばらしかったし、まぁそれなりに楽しめましたけど、重要な台詞がカットされてたりして、はっきり言って原作ほどの良さは映画からは伝わってきませんでした。原作支持者はあまり納得できないのではないかと。。。
この映画楽しんだ方、辛口レビューで本当すみません。
がっかり
元々、TVシリーズの映画化ではなく、シリーズと分けて映画を製作すると言う事だったのでかなり期待したのだが、がっかりである。原作の良さを無くしている。
石神の心情が全く描かれていない。また、湯川の石神に対する想いも伝わってこない。その為、全く感動できない。あのくだらない雪山のシーンなんかやめて、石神の心情をもっと描けばよかった。これだったら、TVシリーズの延長として製作したほうが軽い気持ちで観られたのではないのだろうか。特番の「ガリレオ0」のほうが面白かった。
原作を読まずに観れば好い映画として感動して、さらに原作で感動できたのかも知れない。
タイトルなし
(原作既読)①原作もも一つだったけど映画もも一つ。福山は堤真一に完全に食われている。②トリックはミステリーの⚪⚪の某作品と同じで新味なし。動機にしても、犯人は自分の思い込みだけで動いていて、守ろう・庇おうとした相手がどう思うか・感じるかに全く無自覚なのが話の説得力を薄めている。そういう映画の欠けている部分を堤真一が一人で埋めようとしている印象。
キャスティングに違和感!!
シリーズ初見ですが福山の大根演技に(古畑任三郎や杉下右京のようなネタキャラなのでしょうが)違和感を感じます。初めの殺害がやり過ぎだしトリックもかなり酷く、誰にも感情移入できません。堤真一だとイケメン過ぎるので、原作だと本当に冴えなくて外見も終わっているキャラクターなのでしょう。松雪だと強過ぎるので、命を賭けてまで尽くしたくはならないと思います。ダンカンも包容力のある穏やかな中年に見えないし違うと思います。堤真一は近年はコメディ俳優で味をしめてしまい、佐藤浩市に一緒にやろうと誘われても昔からあの人苦手だったと言い出してがっかりしましたが、本作のようにまたシリアス演技で活躍して欲しいです。
あまりに期待しすぎて・・・・
以前原作を読んで映画化されたら・・・と思っていたので、すごく楽しみにしていましたが、期待していた分物足りない感じが残っています。ドラマの延長で福山雅治さんの湯川教授を楽しむのなら良いとは思います。
倒叙ものミステリー?
この作品もそのジャンルに入るのかな。それにしては、完全犯罪を遂行したと思う犯人をじわじわ追い詰めていく湯川教授や警察の突っ込みが物足りない。後半出てくる登山シーンは唐突ではないか。
社会派ミステリーであれば、ここの登場人物の掘り下げ方が物足りない。何か中途半端だ。だから、最後の石神達の号泣がとてもオーバーで感情移入出来なかった。
映画は原作を越えたのか読んでみよう。
残念
どれだけ原作が良くても邦画はなぜこんなに陳腐になってしまうんだろう。原作の細かな描写が全て詰め込めないのは仕方ないけど、それにしても端折り過ぎて重みが無くなってしまっているのは本当に残念。柴崎コウの軽い演技を端折った方がよかったのでは?と思ってしまう。なにより見た目ではダンカンと堤真一は逆じゃないのか?まぁダンカンに最後のクライマックスは演じ切れないだろうけれど…石神の束縛に悩み、工藤に喜びを感じるという設定が台無し。でも結局これ湯川のエゴじゃないのか?《真実を暴きたくて仕方ない=俺凄い》という方程式のようで。自分が刑事でもない限り他人の事情には触れないほうがいいと思う。まして旧友なら尚更。
火曜サスペンス劇場です
友達がスマステで稲垣くんが絶賛してたから観たい、とのことで一緒に観ました。
ドラマを知らないし、原作も知らない。
でも、この程度の出来のサスペンスならテレビで十分満たせます。
天才物理学者VS天才数学者という高度な頭脳戦を期待できる設定も、途中からあまりにもその二人の人物造詣を崩しすぎです。天才物理学者、湯川は「愛」ですらも数式にするキャラクターだから面白いんであって、それを崩して、途中から人間味あふれるキャラクターにするなんて都合よすぎです。結果、ありふれた推理ドラマになったという感じ。さらにそこから安易に泣かしにかかる典型的な日本映画の悪癖。これ禁じ手にして欲しい。
その設定を活かせるほどの頭脳をこのシナリオは持っていなかった、という事に、本作を見る限り解釈するしかないですね。CM以外あまり知らなかった福山雅治は収穫。柴咲コウは良くも悪くもないが、役的に本作では緊迫感に水を差す存在でした。
ちなみに友達はテレビのほうが全然面白かったと言っておりました。
悪質なトリック
普段、邦画のサスペンスは観ないけれど、これはひどかった。
冒頭で、子供がDV父を過って殺してしまった時点で救急車か警察を呼ぶのが正しいモラルある人間の対応だ。
罪は軽いだろうが、きちんとつぐなうべきである。
子供の心理的なケアなども含めて悪質な隠蔽を行うことがどれ程子供のトラウマになろうか。
仮にどうしてもお隣さんを助けたいなら、ラストで犯人の供述によってようやく死体が上がったように、ただ全部自分で罪を被る覚悟で死体遺棄をおこなえばよろしい。
住所不定で身寄りのない素行不良な親父が蒸発しても誰も気にしない。
ホームレスの生命を虫けらの如く扱い、警察に対して挑戦的なトリックを仕掛ける陰湿な数学者には怒りを覚える。
しかし、頭がよいが、常人には意味不明の難問に取り組む常識のないバカというキャラクターは世間一般の数学者のイメージとあっているかも。
こいつは死刑でよい。
福山さんは物理学者である意味があるのか不明だが、登山のシーンで、「実に面白い」とか言ってる姿が気取った学者がはじめて山にのぼるって感じで笑えた。
主役は物理学者という設定だが、アメリカのリアリティーのある科学捜査系のドラマや映画を期待してはいけない。
惚れた殺人女の為に無力な人間を殺す極悪人
ネタバレ
卑劣な奸計を用い無力無実なホームレスを絞殺後、顔をめちゃめちゃに潰し火を放った時、犯人:堤真一がどれほどとち狂い凶悪な心境になっていたか。
またホームレスが何も訳が分からないまま首を絞められ殺されたか、その一部始終の救いようのない愚かで残酷な殺害動機、殺される者の苦しみなどに思いを巡らせることが出来る人はとても高評価などできないだろう。
彼女とその娘のことを思うなら自首を勧める以外の最良の方法はなかったはず。
それ以外はよくできた映画とは思うが、最後の最後までトリックを隠蔽する手口もどこかアンフェア。
反吐が出るような極めて卑怯卑劣な犯罪行為を「美談」と多数の人間に思い込ませた原作者こそ呪われるべきかもしれない。
この映画は人間性を計るある種の「踏み絵」
結局堤真一が演じた男は、社会性がおびただしく欠落し、女性ともまともな交流が出来ず、自らの論理思考と計算能力を過信し過ぎ、代理逮捕されれば女が幸せになると勘違いし(それは詰まる所自身の満足の為のねじ曲がった犠牲精神に過ぎず、女が良心の呵責に苦しむことなど想定すらできない)平気で第3者を殺害できる哀れなサイコパスだったということ。
200712
映画である必要なし
最初から最後までずっと陰気臭い。
わざわざ映画でやるほどの題材か?
全然楽しくないし,つまらない。
結局,警察の女の人は何一つ事件解決になること
はやっておらず,要る意味有るの?
せっかくのトリックももったいない。こんな小さい
事件に使うの。
映画はもっとスカッとしたものを期待したいです。
日本の観客は,このようなこじんまりしたのを
求めているんですかね?日本映画に。
あまりにもお粗末なストーリー&笑った
この原作の出版当時は、世の中に監視カメラは無かったんでしょうか??
監視カメラがあれば、石神が死体をどこかに捨てたとか全て明らかになります。
映画を見て最後まで松雪泰子扮する女の夫の死体が見つからないが、どう処分したんでしょうね。そんなに簡単に遺体処理ができるなら、石神がわざわざホームレスを使ってまでして新たに殺人を犯す必要ありませんよね。
また、殺された夫のDNA鑑定もせずに、発見されたホームレスの遺体を同一人物と断定したのでしょうか? あまりにも雑すぎます。
いつの時代の事件を扱っているのですかね。
笑いが止まりませんよ。
科学的、論理的に考えて、この映画&原作の筋書きは破綻してませんか??
最後に、福山の演技は本当に糞ですね。
ガリレオの番外編ですね
小説やTVでおなじみのシーンがなくて残念。人間模様や動機について深く追求している本作にびっくり。
ガリレオシリーズのファンなので、ガリレオ先生の十八番ともいうべき科学で解明の実験シーンが見たかった。
最低のストーリー
東野圭吾の一番悪いところが如実に出ている物語。
殺人事件の暴露を防ぐため、ホームレスを殺す話。
作家も登場人物もホームレスは殺されても仕方ないし、生きている価値は無いと、はっきりと示している。
知覚と快楽の螺旋
主演俳優の福山雅治が作曲し挿入歌として起用。難解なトリックを天才物理学者として謎解きするミステリーのメインイベントと言っても過言ではない見せ場に流れるのが福山雅治が作曲した『知覚と快楽の螺旋』。007の代名詞でもある『James Bond Theme』に憧れた福山雅治が作曲した『知覚と快楽の螺旋』の謎解きシーンはガリレオの代名詞と言っても過言ではない。そんな『知覚と快楽の螺旋』の謎解きシーンを映画版から削除したのか。とにかく気味が悪いしハリウッドに負けない超名作でも全てを台無しにしてる。西谷弘監督がTVシリーズと映画化との差別化を狙ってあえてカットしてシリアス路線に転向したとか。ハリウッドの海外ドラマ『NUMBERS 天才数学者の事件ファイル』にも登場する計算するシーンは世界標準ですからガリレオだけが特別ではない。西谷弘監督の勉強不足でしたね(昭和あるある)。昭和の日本映画は商業ではなく芸術として撮影するのが慣例でした。ちなみに原作のイメージは福山雅治ではなく佐野史郎なので長身痩躯のイケメン俳優で滑舌がよく早口言葉が得意な俳優さんだとガリレオが更に盛り上がったかもしれない(要は専門用語を駆使してマシンガントークの如く畳み掛けるタイプの学者)。
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