容疑者Xの献身のレビュー・感想・評価
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原作よりおもしろかった
ストーリーの基本路線は、原作と同じなのだけど映画のほうが好き。愛があるから。原作には登場しない湯川の存在を考えたときに、愛を語る役にしか意味がなかったのだろう。それによって、冴えない数学バカの男の物語ではなくなった。
もちろん、堤真一の好演もあるけれど。生きていたけれど生きていなかった、花岡親子によって「生きる」ことができた孤独な中年男性を切々と堤真一が演じている。
それなのになんで最後に湯川と柴咲コウがあんな薄っぺらな「愛」について解説をするかな。蛇足という言葉がぴったりのセリフとカットじゃない、これって脚本家の案なんだろうか。最後の最後でがっかりしたよ。
でも、これはほんのワンカット。映画のおもしろさには影響していないよ。
月9用のムダな脚色が今回はなくシリアスな雰囲気の作品でこれこそ「ガリレオ」本来の姿だと思う
観る前はどうせドラマの延長線上で変ににぎやかな作品になってしまっている駄作だと思っていたし、何より「大奥」「HERO」「西遊記」「アンフェア」などことごとくドラマの映画化作品を失敗に導いてきた逆ヒットメーカーのフジテレビ系ドラマということで不安がいっぱいだった(@_@)
しかしそんな不安はすぐに吹っ飛ぶことになる(>_<)テレビドラマ版は何だか色々と脚色されてエンターテイメント色の強いものとなっているんだけど、この作品は実にシリアスで全体的に緊張感の漂うものとなっていて確かにドラマシリーズを観ていれば楽しめる部分は増えるが明らかに差別化をはかった作品だと言えるだろう(>_<)
だからこの作品は「ガリレオ」というタイトルが付いていない。あくまで東野圭吾のひとつの作品として作られているからだ(._.)
そのため渡辺いっけいや品川裕などコミカル要素のキャラクターは登場するもののゲストキャラクターなみに出演シーンが抑えられている(>_<)
普段は感情に流されない湯川がかつての友人の石神を調べる過程で色々とわかってきてしまうあまりにも悲しい事実に困惑する姿がすごくよく描かれていて、不器用な男同士の少し普通とは違った友情のかたちがなんとも言えないいい気持ち悪さを出している(O_O)
あんなにカッコいい物理学者なんて、居ないって。
フジテレビで放映され、大ヒットした『ガリレオ』の映画化。って言うより、東野圭吾の探偵ガリレオシリーズの中の長編『容疑者Xの献身』の映画化と言った方が正しいんでしょうかね?
テレビの際も(元々原作には居なかった”内海薫”とか、”城ノ内桜子”とかの女性登場人物を除いては)、基本的に大体原作に沿った形での映像化でしたが、映画の場合にも、その方針は踏襲されています。まぁ、本であったなら、湯川・草薙の男と男のコンビでも良いかもしれませんが、映像になるとしたら、やっぱり花があったほうが見栄えはするわけで、その意味では、湯川・内海と言う組合せになったのは、間違いでは無かったと思います。(同じような手法は、『チーム・バチスタの栄光』でも取られています。)最終的に内海は、原作にも登場してきていますしね。
原作者の東野圭吾によれば、湯川学は佐野史郎をイメージして書かれていたわけですが、テレビそしてこの映画の影響で、圧倒的に福山雅治と言う印象が、一般には刷り込まれてしまったのでは無いでしょうか? テレビ化する際に湯川役を佐野史郎にしなかった理由は不明ですが、一部の人間には、彼には1992年 TBSドラマ『ずっとあなたが好きだった』の桂田冬彦のイメージも無い訳ではないので、良かったのかもしれませんが。
映画の中では、あまり出演シーンは多くなかったですが、私に演技力を感じさせたのは、意外にもダンカンです。非常に少ない出演シーンにも係らず、芸達者だなぁと感心してしまいました。
あとは、言うに及ばず、松雪泰子ですかね。やっぱり彼女の演技は、一流だと思います。陰のある雰囲気とか、表情は見せますね。
柴咲コウは、テレビドラマ等多数出演していますが、微妙な感情表現を伴う演技は苦手と見ました。これまでの出演作品でも、微妙な感情表現を必要とする役柄が少ないのも、その傍証かと思います。
時間的制約や、物語の盛り上げ方などにより、完全に原作に忠実と言うわけでは有りませんが、それなりに原作にそっているので、原作を読んでいる人も、そうでない人も、楽しめると思います。
一つの傑作
ラストシーンがたまらない。
報わない真実の暴露、そして自白。
献身者の涙。まさに名演。
犯罪を隠すために犯罪を冒す。
あり得ない鉄壁なアリバイ。
そして、遺骨を捜す警察官
たちのシーンで終わる。
すごいね。
名作だ。
だれも幸せにならない結末。
自首して刑をまっとうしてから結婚した方がよっぽどよかった。
天才だったことが裏目に出てしまった。
昔、映画館で見た。今日はフジテレビで見た
3人がお互いを思い合ったがゆえの悲劇
石神にとっての日常にある小さな幸せ、花岡靖子にとっての人生のリスタート、花岡美里にとっての青春を奪った富樫。
ふとしたきっかけで富樫を排除する中で交わることのない3人の人生が皮肉な形で交わることになる。
靖子は美里を守るために富樫を排除する。
美里は靖子を思うがゆえに富樫に手を出す。そして計画が進む中で靖子への石神の気持ちに気づいてしまう。
石神は小さな幸せを守るために奮闘するが靖子はその思いやりに気づいてしまうことで石神の計画が全て水泡に帰してしまう。
とにかく切ない。
願わくば、石神と靖子の量刑が少しでも軽くなることを願う。
蛇足だが、最も無力感に苛まれたのは友人の助けになれずに、学者を諦めて数学教師をやって友人の境遇に気づけなかった湯川かもしれない。
よく考えたら変なのですが・・・雰囲気で押し切りました。
付き纏うストーカーを殺してしまった母娘を助ける天才数学者。その彼に挑む旧友「ガリレオ」の活躍を描く物語。
東野圭吾原作、TVドラマ「ガリレオ」第一シリーズの劇場版ですね。
心ならずも殺人を犯してしまった母娘の絶望。そして人生に疲れ果てた天才数学者。忘れ去られた浮浪者。
絶望的な人々の、絶望的なストーリー。それを陰鬱な冬の東京の景色が盛り挙げます。
「遺体の替え玉」の為の殺人。そんなトリックはショッキングで想像も付かないこと。突拍子もないトリックですが、陰鬱な風景とマッチして物語を盛り上げます。
ただ、数学者の行動が非人道的過ぎて共感出来ません。物語として、母娘と数学者に同情的な展開になっているので、この共感性のなさは残念に感じます。
また、トリックで言えば、ストーカーの遺体処理が雑になっていて、説得力が乏しくなっているのも残念なところ。
全体を通して良い作品だっただけに、もう一工夫して欲しい作品でした。
私的評価は、少し甘めで4にしました。
計算高い男が運命のいたずらの前に崩れる姿
底辺×高さ÷愛 愛の無いAIは答えられませんでした
底辺×高さ÷愛 愛の無いAIは答えられませんでした。理由は愛が数値化されていないからだろうです。
では、AIには愛が分かりますかと聞いてみた所、AIには感情がないので、数値化されたもの以外理解できませんと答えられました。
さて、AIに芸術が理解出来るのでしょうか?そんな物に人間の知性を任せて良いのでしょうか?
『誰にも解けない問題を作るのとその問題を解くのとではどちらが難しいか?但し、答えは必ず存在する』
少し考えれば、この問に対する答えは簡単である。これを数学として考えるから二つの命題には矛盾が生じるが、時間と言った概念を添加すると『その問題を解くことの方が難しい』と直ぐに理解出来るはずた。時間が経過しないと答えがわからないことはたくさんある。しかし、その問題は幾らでも作れる。だがしかし、答えは絶対に分かるわけが無い。
このミステリーだって、この段階でこのあとどうなるかわかるわけが無い。しかし、あと、約1時間後に献身の意味がわかる。絶対に分かる。
さて、この引っ掛け問題に愛の無い
AIは答えられなかった。興味深いとは言っていたが。
追記
東京が舞台だが、大学だけ別の所。つまり、湯◯博士も朝◯博士も別んとこ。なんか最後の場面、雪じゃなくて『◯の灰』見たい。◯に字をいれると消されるが。
さぁ
ネタバレ
あり。
追記
僕が尊敬する司書さんがこの小説が好きだと推薦してくれたので、読んで好きになった。日本のミステリーとしては世界レベルで名作と思う。但し、映画が良いわけではないのだが。
さて、ネタバレ
誰も救われないけど、
石神さんは愛の無いAIではなかったって事さ♥
4色問題
アリバイ
殉愛
東野圭吾ということで
誰も救われない
東野圭吾の直木賞受賞作。
読みましたが「白夜行」と並ぶ悲劇のシリアス系作品。
湯川ガリレオ(福山雅治)の大学時代の友人、
石神(堤真一)が殺人事件に関わってると知り、
殺人事件に関わって行く。
湯川は石神を助ける事が真の目的だったのだろうか?
真実を暴く事で誰も幸せにならない。
石神も石神が命を懸けて守ろうとした隣室に住み元夫を
殺めてしまう花岡靖子(松雪泰子)も、
誰一人幸せにならないのだ。
容疑者X(石神)は自分犠牲的な愛を成就する事を邪魔され、
花岡靖子はどんなに苦しくても、石神の犠牲に応えるため
沈黙を守るべきだった。
ある意味で警察で罪を告白するよりももっと辛く苦しい事だと思う。
であるので湯川は石神の親友なんかではない。
石神を助けるつもり?
嫌、違う。
湯川は常に「事件に隠されたトリックを暴く」
難問を解く科学者の性(サガ)
それを優先しているだけ。
湯川ガリレオが余計な推理で真相を暴いたりしなければ、
石神は少なくとも心の平安を得られた筈だ。
映画は緊張感が最後まで持続して見応えありました。
冒頭の船の爆破シーン。
アレはなんの関係もなかったですね。
湯川が実験したトリックも石神事件とはなんの関係もなかった。
ただ石神がホームレスを替え玉死体にしたことだけは、
許し難い。
石神の精神の欠陥を感じさせた。
それだけ石神は病んだ男だったのかも知れない。
純愛
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弁当屋経営の松雪泰子が別れた旦那につきまとわれ、殺してしまう。
隣人の堤真一がそれを知り、自分が助けると話す。この男、天才だった。
学生時代の親友である大学教授の福山雅治が探偵役として謎を解いていく。
結果から書くと堤のやったことは、
ホームレスを殺して顔をつぶし、警察に死体を発見させる。
(これが松雪の元夫と警察が思うように細工し、本当の死体はバレないところに隠す)
そしてこの死体の死亡推定時刻に松雪にアリバイを作らせる。
自分は松雪にストーカー行為をする。そして異常なストーカーの犯行を演じて自首する・・・
見事成功して堤は逮捕されるが、福山はこれを見抜いていた。
結局松雪が我慢できなくなり犯行を自供した。
すべては不器用な天才・堤の純愛による無償の奉仕だったのでした。。。。
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いつも思うが堤真一の幅広い演技には恐れ入る。本当にうまい。どんな役でもハマっている。
単なるオタクの異常な純愛を描いた話だが、松雪にも自分が何をやるかを告げず、ストーカーのフリをした時など、演技とは知らない松雪自身が恐怖を感じるほど。
「人生に失望していた自分に希望を与えてくれて感謝している」
これは堤が松雪に送った言葉だが、これこそが単なる隣人で弁当屋の常連に過ぎない松雪に寄せる思いだった。
罪のない人を殺したのは悪いが、彼のやったことがいい事か悪い事かはこの際関係ない。
人生に失望していた彼は彼の中での最高の選択をしたと言えるのではないだろうか。
この天才にこんな形でしか活躍の場を与えなかった現代社会への皮肉は痛烈である。
謎のままが良いということもある
脚本が素晴らしかった。
ガリレオ(福山雅治)が余計なことをしてしまい、Xの正体が解ってしまう。
マルチエンディング希望したくなるほど悲しい。
ガリレオ先生シリーズの中で最高傑作。
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